コロナ禍での働き方改革とは?ユーザー事例を大公開

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最終更新日 2023年6月6日

【セミナーレポート】COMPANYユーザー公開座談会

 

8月6日に開催された、【COMPANYユーザー公開座談会】~キリン・ヤオコー・ワークスHIがwithコロナの働き方を徹底議論~では、製造・小売・情報通信と各業種のコロナ禍における取り組み、そしてこれからの働き方についてのパネルディスカッションを実施しました。
 

東京オリンピック・パラリンピックを見据えて以前より在宅勤務などの取り組みをいち早く進めていたキリン。スーパーという、生活に必要不可欠な業態であるがゆえに危険と隣り合わせでありながらも従業員のケアを徹底したヤオコー。そして在宅勤務には本格的に取り組んでいなかったものの、急速に新しい働き方へと対応を進めたワークスHI。


本記事では、この3社がこれまで、そしてこれからの対応について語った【COMPANYユーザー公開座談会】~キリン・ヤオコー・ワークスHIがwithコロナの働き方を徹底議論~セミナーの様子をお届けします。

 

COMPANYユーザー座談会セミナーレポート

 

◆パネリスト  キリンビジネスシステム株式会社 
        基幹システム統轄部 シェアードシステムグループ 部長 
        湯本哲也 様 (画面左下)
        株式会社ヤオコー
        人事総務部 業務担当マネジャー
        鈴木宏司 様 (画面右上)
        株式会社Works Human Intelligence
        元人事部門責任者 成長プラン推進室長 
        森田剛史 (画面右下)

◆モデレーター 株式会社Works Human Intelligence 
        経営企画部門責任者 伊藤秀也 (画面左上)

目次

株式会社ヤオコーの取り組み
 ー現場で働く従業員のケアを最優先に ~給与の確実な支給や慰労金の支給~
 ー他業種から人を受け入れ、労働力の確保と社会貢献を両立
 ーシステム活用だけでなく、きちんと従業員の手元まで届く気配りを

キリンビジネスシステム株式会社の取り組み
 ー働き方改革の取り組みが進んでいたからこそ出来たコロナ禍での対応
 ー生産性向上は人それぞれだが、密なコミュニケーションを心がける
 ーこれからの理想の人事システムは、「従業員目線」であることが必須

株式会社Works Human Intelligenceの取り組み
 ーオンラインインターンシップの開催で見えてきた今後の採用像
 ー在宅勤務においてはコミュニケーションツールが重要な役割を占める
 ー一気に進めたペーパーレス、今後の運用方法については模索中

HRシステムがCOMPANYでよかったこと

今後の働き方や人事戦略について ~この1年でまず取り組みたいことは?~

質疑応答

 

株式会社ヤオコーの取り組み

 

現場で働く従業員のケアを最優先に ~給与の確実な支給や慰労金の支給~

 

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伊藤:
ヤオコー様は日本を代表するスーパーの一つであり、まさにコロナの最前線で対応いただいています。事前アンケートによると、参加者のうち7割の方が売り上げが下がっていると回答されていますが、ヤオコー様は忙しくなった側。従業員様が不安に思われる中でどう対応されてきましたか。

鈴木:
まず、コロナが発生したからと言って給与の支払い業務が滞らないように、従業員に給与を確実に支払うというところを徹底していました。
給与支払い関係の処理をする部屋はマイナンバーを扱うということで、静脈認証を含めた機密性の高い部屋なので、どこよりもはやく消毒やマスクの手配を行い、換気する機械も一番強力なものを購入しました。
また、社員もヘッドカウントで25000名ほど働いているのでかなりの数ですから、給与振込の処理ができなかったときにどうするか?を真っ先に考えました。
ただ、計算をしても手元に振込されないと意味がないので、財務経理と話してファームバンキング・送金のところを検討し、本社に人がいなくてもどう回せるか、を考えました。

一方で、店舗の方は止められないばかりか、今までと違う形での販売、焼き鳥やパン類も一つ一つ包装が必要なので作業が増え、人の確保が必要になりました。実際私もお店を回って袋に詰めたりしました。

新入社員の研修は中止しましたね。

あとは慰労金を従業員に対して支給したり、お店の中でお客様に直接向き合う部門、レジとかストアマネージャー(店長)に対してケアをしたりしました。
対外的なところで、社会貢献も会社の理念としてあるので、寄付をしたりもしました。

伊藤:
現場を支える人事というもともとの理念を強くお持ちなのだなと改めて感じました。
一方で、合理化/効率化という観点からすると、コロナでは逆をいくところもあるのかなと思いますがそのあたりはいかがですか?

鈴木:
働く25000名のうち、1人1台PC持っているのは300~400名程なので、その他はデジタルと無縁。そのあたりに対してのこれからの対応は考えていかないといけないところだなと思っています。

他業種から人を受け入れ、労働力の確保と社会貢献を両立

 

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伊藤:
続いて珍しいところではありますが、他業種からの人の受け入れ。このあたりの話は他の方にもご参考になると思いますので、お聞かせいただけますか?

鈴木:
これは、マネジメント層の知り合いで、休業要請がかかった企業や店舗から、うちで働かせてもらえないか、という問合せがあったことから受け入れをしました。
その中で一番親和性があったのが外食産業、居酒屋系。そういうところは衛生管理や食材の取り扱いなどの教育がしっかりしているので、スーパーにおいてもスムーズに働いてもらえたと思います。

一方で事務処理的なところには違いがあり、契約関連の手続きなどを、他社はクラウドでやっているがうちは紙でやっている、ということがありました。ただ、この辺りの手続きは重要なので、今回は弊社仕様で紙でやらせていただきました。

伊藤:
人材の活用や人を融通し合うところは、今後副業の話が広がる中で参考になるかなと思いますね。

 

システム活用だけでなく、きちんと従業員の手元まで届く気配りを

 

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伊藤:
COMPANYもそうですが、人事システム全般の活用についてお聞かせください。

鈴木:
普段は大変だなと思うところもありますが、やっぱりパラメータ設定を自分たちでできることがありがたかったと思います。慰労金への迅速な対応から給与明細、課税の計算に至るまで自分たちでできたのは良かったです。
あとは給与支払いに関して、給与計算のところも重要ですが、最終的にお金が届く、というところが重要なので、計算が滞ったとしてもお金をお支払いするという最後のところを第一に考えました

伊藤:
システムが全く動かなくてもまずは振込、生活のための原資が届くようにということですね。

鈴木:
そうですね、計算しただけでは支払ったことにはならないですから。
計算は従来のセキュリティルームでしかできないところもありましたが、在宅での対応やアウトソーサーなど、バックアップ的に対応できるような準備はしました。

伊藤:
COMPANYは設定で何でもできる反面、覚えないといけないところもあるかもしれませんが、変化にすぐに対応できるというところはメリットとして感じていただけたのかなと思います。

湯本:
弊社グループも食品系ですから供給というところはヤオコー様と同じところがあるのかなと思います。
製造、物流という厳しい状況でも業務を全うしたということで、弊社でも慰労金や手当を支給させていただきました。

伊藤:
制度面でも物理面でも支援されたということがポイントだったということですね。
鈴木様ありがとうございました。


キリンビジネスシステム株式会社の取り組み

伊藤:
続いてキリン様ですが、比較的早い段階で働く時間や場所などの働き方改革に取り組まれてきたのかなと思います。コロナ禍においても比較的スムーズに対応できたのかなと思いますが、詳しいお話をお願いいたします。

 

働き方改革の取り組みが進んでいたからこそ出来たコロナ禍での対応

 

 

湯本:
テレワークやフレックスのコアタイム廃止、Web会議システムの積極的な活用など、比較的早い段階で対応してきました。コロナ禍においては、早い時期からテレワークしていこうということで、2月は在宅推奨、3月から基本的に原則在宅勤務、という方針に変わっていきました。

伊藤:
3月からの在宅は事前に準備をされていたから、スムーズに行ったのでしょうか?

湯本:
そうですね。以前からテレワークを中心に業務を進めてくださいと言われていたので、割とスムーズにできたのかなと思います。

伊藤:
出社の上限なども定められていたかと思いますが、実際の生産性などを伺っていきたいと思います。

 

生産性向上は人それぞれだが、密なコミュニケーションを心がける

 

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湯本:
物流、製造、社外支払い業務に携わる従業員以外は基本的に在宅を推奨しています。
緊急事態宣言解除後も在宅を中心とした勤務に変えていこうということで、現在も本社出社率は3割ほどです。

在宅勤務によって、生産性が上がった人も下がった人もいます。
比較的個人で仕事が完結する人は集中して仕事ができるので生産性が上がっていますが、
対人のコミュニケーションが多い人は、オンラインでのコミュニケーションを丁寧にする必要があるので、生産性が少し下がっているというところはあります。

私が今所属しているIT会社でもやはりコミュニケーションが重要になりますが、やはりオンラインだとコミュニケーションが滞るところがあるので、平均すると10%くらい時間外勤務が延びてしまっています。
在宅になって通勤の往復約2時間が今は仕事にあてられる状況なので、逆に労働時間が増えてしまったかなというのを今分析しているところです。

伊藤:
在宅で頑張りすぎるのをどう止めるかというお話も他のお客様から聞いたりしますがキリン様も同様ですか。

湯本:
そういう傾向の方もいますね。

伊藤:
コミュニケーションのところを、Web会議ツールを繋ぎっぱなしにされたりなど工夫されていると伺っていますが、
そのあたりお聞かせいただけますか?

湯本:
弊社では現状Skypeを使っていますがこれからTeamsを導入予定など、ツールにはあまりこだわらず、密なコミュニケーションを取ろうとしています。
特にマネージャー層に対して、入社3年以内(育成期間)の人にはコミュニケーションを密に取るようにとは言っています。私もそうですが、若手の社員に関しては曜日を決めて、現状の課題などについて情報交換したりしています。

逆にマネージャー層とは、会議終了後に30分くらい雑談をしています。雑談といっても日ごろの業務の話などですが、そういうところは工夫しているかなと思いますね。

 

これからの理想の人事システムは、「従業員目線」であることが必須

 

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伊藤:
湯本様はもともと人事にいて今はシステムにいらっしゃいますが、理想のシステム像をお聞かせいただけますか。

湯本:
これからは従業員目線の人事システムが求められているのかなと思います。
これまでのCOMPANY含めたERPシステムは業務担当者向けのシステムになっていて
勤怠、申請など一部従業員向けのものもあるものの、やはり機能面で不足があるかなと。
従業員の生産性を上げるためのトータルのシステムがいま求められているのではと思います。
人ということを考えると結局は人事システムになるので、そういうものを理想として考えているところですね。

伊藤:
管理側都合ではなくて従業員目線で、より使いやすく、事務処理もしやすく、生産性が上がる、その延長線上でエンゲージメントに繋がるシステムが必要ということですね。ありがとうございます、我々も今後の開発に活かしていきたいと思います。

湯本様にはいつもお世話になっていますが、中野に本社があるということで、その近辺の会社と会合もされているというお話も特徴的かと思いますがその話も伺えますか?

湯本:
中野近辺にCOMPANYユーザーが5社ほどあり、「中野の会」という地域ユーザー会を設立しました。2014年に設立して6年目、今加盟しているのが32社くらいで、年に3回ほど活動しています。
先日もオンライン形式で中野の会を開催して、withコロナにどう向き合っていくかについて話しました。
COMPANYユーザーなので制度面、COMPANYのシステム・設定面を細かく話し合いができる、COMPANYの良さを活かしたユーザー会を企画しています。
来るもの拒まずなので興味ある方は私宛に連絡ください。

株式会社Works Human Intelligenceの取り組み

 

オンラインインターンシップの開催で見えてきた今後の採用像

 

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伊藤:
我々は色んなことをやっている中で、在宅勤務制度はキリン様ほど進んではいないものの、昨年サテライトシェアオフィス利用や在宅もしていかないと、という話をしている中でコロナの話が出てきて、一気にいろんな事が進みました。

われわれの特徴の一つとして採用/インターンシップがあるので、そのあたりの話をしてもらえればと思います。

森田:
2021年度卒の採用に関して、どの企業でも途中で面接をWebに切り替えるなど、採用に苦労したところが多いのかなと思います。このままコロナが落ち着かないとなると、22卒もwithコロナでの採用を考えていかないといけないというところから、オンラインインターンシップの実施を半ば検証もかねて実施しました。

インターンシップは職場体験というイメージが強いですが、弊社の場合、体験型ではなくミッション型をとり、イノベーション型人材の見極めに特化した内容になっています。
22卒やその先、地方の学生へのリーチなどに向けて、いかにオンラインで実現できるのか、というところでいろいろと試すことができました。

伊藤:
オンラインインターンシップはぜひ先駆けて進めていければと思っているので、皆様にも今後フィードバックできればと思います。
オンラインだと地方の国立大学生なども参加しやすいですよね。

森田:
そうですね、地方だと拘束時間とか距離/時間のハンデがなくなったので九州などの学生にも参加いただけたりなど、実績が出てきています。

在宅勤務においてはコミュニケーションツールが重要な役割を占める

 

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伊藤:
実際に我々が在宅というところに切り替える中で、先ほどサテライトオフィスの話も出ましたが、このあたりの対応についても聞いていければと思います。

森田:
弊社はキリン様のように準備が出来ていませんでしたが、東京オリンピック・パラリンピックにどう対応していくか?を検討する中で、社内システムのインフラ設計の検証はしていたため、いざこの状況になった中でGOを出す準備が出来ていたということ、そして、社内のコミュニケーションツールを頻繁に利用する文化が根付いてきており、在宅勤務に関わるインフラなどのスピーディーな意思決定に活用できたということ、この2つがスムーズな移行に貢献したと思います。

伊藤:
この辺のコミュニケーションツールは重要性を増しているかなと思っていまして、我々もこういったコミュニケーションツールとCOMPANYを連携させて勤怠の打刻や残業の承認などが出来る仕組みを進めるきっかけにもなりました。
 

一気に進めたペーパーレス、今後の運用方法については模索中

 

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森田:
ここは正直遅れているのが実情でしたが、稟議や承認プロセスをすべて紙で運用していたのが在宅になることですべて止まる恐れがあったので、1ヶ月くらいで、暫定的ではありますが、電子化に切り替えました。
今後のwithコロナを見据えて、COMPANY Web Serviceの申請機能などを用いて仕組化を考えています。COMPANY Web Serviceでどこまで実現可能か、利便性が高いかを我々で使いながら検証していって、どういうところに課題があるのかなど、試して皆さまや製品開発へとフィードバックしていけたらと思います。

 

HRシステムがCOMPANYでよかったこと

 

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湯本:
最初によかったと感じたのはWebの年末調整ですかね。かなり生産性が上がって、従来の1/3の労力でできました。チェック作業はシステムにて自動でできるのでその機能を活かして金額の誤りなどのチェック作業の軽減につながった点はよかったかなと思います。

それと先ほど中野の会でお話ししましたが、COMPANYを使っていると、制度面・業務面・システム面の3つの部分を共有、情報交換ができるので、ユーザー間の繋がりを持てるのが大きかったかなと思います。

伊藤:
まとめて制度面~実行まで情報交換ができるということにメリットを感じていただいているということですね。ありがとうございます。
Webの年末調整は各お客様にメリット感じていただけているかなと思っています。
今年の秋から生命保険料の紙を電子化するという制度面は整えられたので、システムに載せるのは、もう何年かかかると思うのですが、実現できれば1/3になった生産性をさらに上げられるかなと思います。
この辺は政府担当者と協力して制度整備から入らせていただいているので、最後まで実現させていきたいなと思います。

湯本:
期待しています。

今後の働き方や人事戦略について

 

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Q.この1年でまず取り組みたいことは?

 

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鈴木: 変化対応
湯本: 各種基盤の整備
森田: 事業所内保育のあり方

 

鈴木:
大きくは、個人的な要素もありますが3つあって、
まずは、店舗に適正な人員がいないといけないので要員の計画を考えるということ。
それから、仕事自体の見直し。これはお恥ずかしい話ではあるのですが、この状況下で研修や社内イベントを削っていると、現場からは研修に呼ばれなくてよかったとおっしゃる方もいて。本当に必要な仕事は何かを棚卸しないといけないなと考えています。
あとはメンタルのケア。従業員1人1人が変化への対応をしていく中で、やはりしんどいと感じる人もいるので、そういった方に対してはケアしないといけないなと思っています。

伊藤:
こういう状況だからこそ聞こえてくる本音への対応は重要ですね。
状況が長くなればなるほど。

鈴木:
従来聞いていた悩み事とは違うものも聞こえてきたりしています。
また、人事から積極的に悩みを聞きに回ることもできなくなってくると、スマホなどを介して聞くなど、聞き方を工夫していかないといけないなと思っています。

伊藤:
これは各社様結構共通しているお悩みですね。皆さま遭遇したことのない状態なので、我々も横の繋がりでこのあたりについては聞いていきたいと思います。
湯本様いかがですか。

湯本:
このコロナ禍で、環境の変化が激しいということに気づきました。特にIT系の変革はものすごく、世界的に見てもものすごい変革が起きています。しかし変革するためには各種インフラ基盤がないと先に進まない。会社や組織ではそこが必要なのでまずは整備が必要かなと思います。
人事制度に関するところだと、テレワーク中心になっているので通勤交通費の問題ですね。
弊社はまだ支給していますが、これを在宅手当みたいな形にして交通費は実費に切り替えるなどしないといけないかなと思っています。

どんどんオンライン対応に進んでいきますので、ITインフラ、ネットワークの増強などが急務で求められています。まずはこういうところがこの1年大事かなと思っています。

私含めて弊社グループはコロナ禍の状況を長期戦になると見ていて、このあたりの環境整備をやらないと太刀打ちできないと思っているので、まずはそこですかね。

伊藤:
通勤交通費に関してお話が出ましたが、6月下旬にお客様にお聞きしたときには全体の3割が定期代支給をやめようかなという回答があったのですが、今回の座談会の事前アンケートでは5割くらいだったので、2割くらい増えているんですよね。お客様の検討がどんどん進んでいて、現在おそらく4月~9月までの定期支給が多い中、9月が終わったときに、実費に切り替えるかどうか、というその意思決定の時期に来ているのかなという印象です。

森田:
私はお二方と比べてかなりミクロな視点になります。弊社はwithkidsという事業所内託児所があるのですが、これまで全然在宅ができない環境だったのができる環境になったので、従業員の生産性も上がるのではと思っていました。しかしお子さんがいる家庭は預ける先がなくなったので、在宅勤務をしても働けない、という状況になってしまいました。
そこをどう支援できるのか、というところで、訪問保育やオンライン保育を検証してみました。一定時間、子供を画面に集中してもらうような取組みを行って、その時間だけ集中してもらって、生産性上げるというような取組みを行いました。
コロナとは長期戦になると思うので、子育て世代をリモートでどんな支援ができるか、この1年でいろいろ検証して実績を作っていきたいなと思っています。

伊藤:
1人の従業員さんのライフステージに合わせてどう支援できるかというところは1つ検討事項だと思います。
お子さんによって、集中できるお子さんもいればどこか行ってしまうお子さんもいたり、、
年齢層も幅広いので、なかなか難しいところではありますね。


質疑応答

Q.リモート中心に働き方が大きく変わる中で、人事評価に関する以下2点について
 変わった点、工夫する点はありますか?
・設定する目標の内容について
・上司が部下の成果を把握する点について

鈴木:
弊社の場合は基本的に変わりはないです。
ただ、昨年あたりに見直しをした中で、相互で助け合う・チームで働くということを評価に含めたというところは、
コロナ禍においても重要な要素になるだろう
なと思います。

湯本:
弊社もコロナ前後で人事評価については特に変更はしていません。
もともとMBO-Sの面談はクオーターごとでの実施を推奨していて、コミュニケーションを密にというのは全体の方針としてあります。
コロナ禍になってからは日頃の仕事の進捗をもう少し深堀して、期末の個人の目標に対する成果だけではなく、途中のプロセスとして、中身の状況を確認しているのは工夫しているところとしてあるかなと思います。

森田:
弊社もコロナ前後で目標設定について変化はないですね。
評価においても、弊社の場合はMBO目標と多面評価の2つで人事評価をしているので、確かにコミュニケーションは減りましたが、横や部門をまたいだところの評価制度がもともとあり、最低限のコミュニケーションはとれる状態にあったのは良かったかなと思います。

伊藤:
人事考課については8割くらいがMBOと行動評価でやっているお客様が多いですが、我々の場合は行動評価を多面評価でやっています。
私がワークスに入った頃(200名くらいの規模)は全員多面評価しあうという完全360度評価でしたが180度評価になってきているので、それをまた戻していけたらなと思います。
 

Q.在宅勤務のハード面、制度面についてどう変えられたか?

鈴木:
業種柄、在宅勤務をする人は限られているのですが、在宅勤務の人は自宅のネットワーク環境からVPNで入って、というやり方を取っていますね。

伊藤:
光熱費含めて色んな費用がかかりますがそれに関する何らかの手当はありますか。

鈴木:
それは二の次ですね…!最前線の現場への慰労金を最優先にしています。

湯本:
本社勤務の方は1人1台PCになっているので、持ち帰っていただいて仕事をしていただいています。
制度設計面だと、グループ会社によって入社1年目は在宅が取れない、とか、月8回しか在宅できないとかの制度がある場合はそれらを撤廃していますが、それほど大きくは変わっていないですね。

伊藤:
モバイルアクセスの通信混雑にあたったという話も伺いましたが。

湯本:
そうですね、約1万人のテレワークだとやはりインフラ面に負荷がかかるので、営業職とかは輪番制でPC操作時間を1日3時間にしてもらって、他の時間はお客様との電話やスマホを使ったコミュニケーションでの仕事にしていただいたりしました。

伊藤:
4月とかは全国で通信インフラに制限がかかったので、インターネットが繋がる朝や夜に働いているというお客様のお話も聞きましたが、工夫して乗り切られたということですね。

森田:
基本1人1台PC持っているので、ノートPCはそのまま使用してもらって、デスクトップの方は家から社内へリモートでつなげるような環境にしたのですが、家にネットワーク環境がなかったりPCがない人も意外にいたので、特別期間ということでPC貸与、モバイルWifi貸与などの対応をしました。

伊藤:
平均年齢が低いのに、家にインターネット引いていない、という人が多いのは意外でしたよね。

森田:
まさにスマホ世代ですね。PCもWifiもないという人が意外に多かったです。
あと、光熱費とかネットワーク代に充ててもらうセルフケア手当を、原則在宅期間には一律支給しました。

伊藤:
知り合いのベンチャーには会社支給のスマホをやめて全部BYODにして、社内ネットワークにも繋がるようにし、その代わりにパケット代を月8000円支払う。交通費は支払わないが端末代は年2万円ずつ支払う、というようなやり方にシフトしたところもありますが、大手さんだと難しいかもしれませんね…。でも参考になるところもあるかなと思います。
 

Q.通勤交通費を実費支給に切り替えたときの対応は?


伊藤:
出社している日数がわかれば往復運賃もわかるので、出社日数を掛け算してCOMPANYで支給するというのがわかりやすく、他のお客様でもされているところがありますが、ヤオコー様はもともと日額支給ですかね。

鈴木:
そうですね。今言われたような対応とか、あとはうちはロードサイドのところだと車や近所の方だと自転車通勤の方などもいて、全体の中で電車通勤の方はあまり多くないのでコロナ禍で特殊なことはしていないですね。基本的に出勤日数×単価ですね。

湯本:
先ほど伊藤さんがおっしゃっていただいたような形がいいのではないかと、今検討しています。

伊藤:
あとは勤怠システムの中で出社しているというフラグを立てて、日数を掛け算するだけ、みたいなのがわかりやすくていいかなと思います。

Q.時間管理についてはどうしていますか?

鈴木:
在宅できる人が少ないというのと、あと出張と同じようなフラグの立て方でいけてしまいます。出勤すれば従来通りカードを切るので、あまり変化はないですね。

湯本:
就労システムを入れていますが、並行して業務の前後にチーム/組織全員にメールを送るようにしています
PCのログオン/ログオフ時間も並行して客観データとして見ていているので、それと合わせて時間管理をしているというような形です。

伊藤:
ログオン/ログオフで客観性を担保しながら、自己申告のメールで管理をされているということですね。
これは各社様結構分かれるところで、システム入れてきちんと実施されている方もいればある程度従業員様に任せたりなど、各社のポリシーによって分かれるところかなと思います。

 

Q.「なりキリンママパパ拡大」の具体的な話をお話いただけますか。

 

湯本:
これは、多様性という観点から、子供の誕生・介護などのライフプランの変更によって起きる働き方の変化を模擬体験してもらうというものです。

1か月間模擬体験をするのですが、かなり生産性上げた人もいました。時間も制約があって、絶対定時時間で帰らないといけない、さらに子供が急に熱が出たので急に帰らなければならないなど、そういう状況下に強制的に置くことで、自分の仕事の見方を変えてもらうという制度です。

伊藤:
相互理解を進めながら生産性を上げていくということですね。
ありがとうございます。

一通りご質問いただいた内容にお答えできたかなと思いますので、時間が伸びましたがここまでにさせていただきます。
湯本様、鈴木様、森田さん、ありがとうございました。

 

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Works Human Intelligenceでは、今後も皆様のお役に立てるセミナーを開催してまいります。

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