人事データの分析はどうすればよい?分析事例と企業が抱える課題とは

人事データの分析はどうすればよい?分析事例と企業が抱える課題とは

公開日 2021年3月31日
更新日 2021年4月15日

 

人事データの分析は、データを根拠にした意思決定や施策検討が求められているという背景から、現在非常にニーズのある部分かと思います。しかし、そもそもデータがひとつにまとまっていない、あるいは、データの集計に手間や時間がかかる、どうやってデータ分析をしたらいいか分からないといった方も多いのではないでしょうか。

そこで当社では人事データの分析に関するユーザー様同士の分科会を実施しました。実際に分科会の中でお聞きした、ユーザー様の実際の取り組み事例、そしてリアルなお悩みについても紹介していきます。

 

目次

企業における人事データ分析の現状
人事データ分析の事例
人事データを分析するにあたっての課題
人事データ分析方法のまとめとこれからの展望

 

企業における人事データ分析の現状

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そもそも現在、企業における人事データの分析はどのくらいのことまでできているのでしょうか。

 

各社の様子を見ていると、

「データはたまってきていて、様々な切り口で情報を見ることはできるが、データの分散やエクセルの中でデータを分析・処理するのに苦心している
「データはたまってきているものの、ハイパフォーマーの分析や退職者の予測等は数値に基づいてやるのか、個々人の経験値のほうがよいのか、判断が難しい
「データは集まっているがどこから手を付けたらいいのか分からない

といったように、分析のしにくさや人事データの活用・判断方法について悩んでいる企業が多いことが分かりました。

データは集まってきているため、システムやエクセルなどで切り口ごとに絞ってみたり経営への報告資料を作ったりすることはできるものの、いざその人事データを未来へと活用したり分析したりするとなると、まだまだ難しいのが現状のようです。

 

人事データ分析の事例

ただ高度な分析には至っていないにしても、様々な切り口で情報を見る簡単な分析はできているということが明らかになりました。
では、実際どういった人事データを集計/分析し、どのように分析した結果を活用しているのでしょうか。


まずは人事データを分析へ活用している方法を聞いてみました。(※21社分の回答を集計)

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離職や勤怠周りに関する人事データは比較的分析がされているものの、昇格や昇進といったデータの分析は、興味がありながらもあまり進んでないことが分かります。

では、それぞれのテーマで各社がどのように分析のもととなる人事データを集め、どういう分析をしているのか、その分析結果に対してどういう施策を取っているのか、各社の事例を見てみましょう。

 

①女性活躍推進 

【運輸業A社】

・データの集め方
社外に公開する際に必要に応じて女性管理職の比率を集計

・データの分析方法
グループ会社で違うシステムを使用していることもあるため、各社のデータを担当が繋ぎ合わせて分析。しくみ化はまだできていない。


その他、ツールに予め設定されている分析軸で自動的に分析を行っている企業もありましたが、可視化にとどまるところが多く、活用についてはこれからという企業が多く見られました。
 

②離職

【運輸業A社】

・データの集め方
退職にあたっての正しい理由はなかなか本人から出てこないため、人事と退職者が1対1で面談する、上長に担当人事から間接的に聞くという2方向でヒアリング

・データの分析方法
エクセル

・分析結果の活用法
分析の結果、どの年代のどの職種に離職が多いのかが判明。理由をグラフ化すると、働きがいを感じないという理由が挙がったので、異動発令が出たタイミングで上司と面談し、異動後の業務の意識づけをしたり、人事との面談を増やしたりする対策を行っている。

 

【製造業B社】

・データの集め方
上司が面接して退職事由を細かくヒアリング

・データの分析方法
部署や職種、地域等ごとで離職率を分析

・分析結果の活用法
ある職種の離職率がほかの職種より高いので丁寧に見ている。離職のひとつの理由として、その職種の勤務地が全国で5年ごとに変わるため、勤務地を限定したいというものが多かった。そのため、勤務地を柔軟にしていこうという改善活動に繋がっている。



離職については各社退職防止に活用するために様々な分析を行っていることが分かりました。ただ、もととなる情報の正確性の担保について悩みを抱えている企業が多いようです。


 

③勤怠

【製造業C社】

・データの集め方
システムで有給取得率を月次でチェック

・データの分析方法
会社の推奨値と比較

・分析結果の活用法
会社の推奨値よりも少なければフォローを入れる。取得率の低い部署については該当部署へ報告。
 

【情報通信業D社】

・データの集め方
システムで総労働時間をチェック

・データの分析方法
どの事業部にどのくらい労働が偏っているのかを確認

・分析結果の活用法
労働時間に偏りのある部門に対して労働時間の分散を行う



勤怠に関わる人事データは働き方改革関連法への対応もあいまって、システムから集計し、分析に役立てている企業が多く見られました。
 


また、上記のような分析事例以外にも、高いパフォーマンスを出している社員のSPIを分析している企業もありました。分析の結果、特定の値での優位性が分かったため、採用の際にSPIを活用しているといった取り組みをしているそうです。
ただし、データはあくまでもデータなので、数値として出した後の分析にはある程度の肌感覚も大事であるという意見も一定数ありました。

 

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人事データを分析するにあたっての課題

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人事データ分析の例をいくつか紹介しましたが、徐々に分析を始めているとはいえ、やはり課題もあるようです。


「統計的な数値が欲しいがゆえにエクセルで作成している膨大なデータがあるため、分析に手間がかかる
「勤怠データと採用データなど、主管部署が異なるものを組み合わせないと出せないようなデータの分析は難しい
分析の粒度をどうするかが考えもの」
「人事データは扱い方によって見え方が大きく変わるものもある

ここまでで、人事データは

・一元管理できているように見えるが、データクレンジングができていない
・データのまとまりごとでは一元管理できていても、会社全体として人事データの分析をしたい場合にエクセルで吐き出したりデータを組み合わせたりしなければならない

等、柔軟に分析を行うためにはまだまだ課題が多いことが分かりました。

 

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人事データ分析方法のまとめとこれからの展望

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今回ヒアリングを行った当社のユーザー様の中では、分析方法やデータの保管・クレンジングについて課題はあるものの、人事データを一元化し、それを元に様々な切り口で分析を進めていることが分かりました。


ただ、分析をする内容によってはそれぞれ分析のレベルに差があります。また、分析方法についても、企業や分析をする内容によって、システムから人事データを集計して任意の軸で分析する、あるいは、システムに予め用意されている分析項目に従って分析をしたり、エクセルを用いて分析をしたりする等、様々です。

また今回に限らず、分科会ではユーザー様だけでなく当社の開発者も参加をしています。
今回は、ユーザー様の人事データ分析のもととなるデータについて詳細にヒアリングをしたり、今抱えている課題感についてヒアリングをしたりする等、ユーザー様の業務改善のために様々なディスカッションを行いました。

在宅勤務/テレワークによって働いている姿が以前よりも見えにくくなっている時代だからこそ、データに基づいて社員をサポートしたりケアをしたりすることはより重要になっています。

人事の皆様が経営の右腕となって会社をけん引できる存在となるためにも、引き続き当社は本質的な議論を進めていきます。
 

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