多くの企業では、給与計算ソフトやシステムを利用して計算を行うことで、自動化や効率化を進めていると思います。しかし、エクセルでの集計作業が残っていたり、それに付随する手作業も残っていたりと一筋縄では行かないのが給与計算業務です。
本記事では、給与計算業務の流れと、給与計算の負担を軽減するポイントについてご紹介します。
目次
ー給与計算業務の基本的な流れ
ー実は複雑で大変な給与計算業務
ー給与計算の負担を減らし、自動化を実現するためには?
ーCOMPANY給与計算システムで実現する業務効率化
ー給与計算の自動化でさらなる業務効率化を実現
給与計算業務の基本的な流れ
給与計算の実施にあたっては、様々な方法があります。
たとえば、無料で使える給与計算ソフトやエクセルをはじめとする表計算ソフト、あるいは給与計算システムを利用して自社の人事部門で計算している企業もあります。また、アウトソーシングをしている企業、シェアードサービス部門/会社で集約している企業もあるでしょう。
しかしどの企業であっても、一般的な給与計算は以下の流れで進みます。
実は複雑で大変な給与計算業務
従業員の立場からすると、毎月決まった日に振り込まれて当然の給与。しかし、給与計算担当者は上図の通り、振り込みを行うまでに非常に多くのステップを踏まなければなりません。
システム化されているとはいえ、毎月全自動で計算結果が算出できる、という企業はおそらくないでしょう。いまだに手作業でエクセルをはじめとする表計算ソフトを利用したデータの作成や、各種チェックを行う必要がある等、完全な自動化が難しい領域であるのが給与計算です。
そして、担当者が給与計算は大変だと感じるもうひとつの理由は、給与の支払い業務における「金額を間違えられない」「期日に遅れられない」という前提です。
給与計算には、正確性と期日の遵守のために、何度もシミュレーションやチェックを行って誤支給を防ぎ、迅速な処理が必要です。
特に、大手企業においては以下の理由から給与計算が複雑なものとなり、自動化を阻害する要因となっています。
1.従業員情報のメンテナンス
給与計算は従業員の入退社・異動・昇格の情報や、扶養等の家族情報、勤怠情報、社会保険の情報等が給与計算の元情報となります。そのため、数千名の従業員がいるような企業では計算を行う前に情報をメンテナンスするだけでも骨が折れる作業となるでしょう。
たとえば、従業員からの引っ越しに伴う住所変更申請ひとつとっても、まずは変更内容を確認し、人事マスタを修正します。その上で、通勤手当の変更が必要です。
住宅手当であれば、いつの住所を基準に計算をするかを考慮した手当金額の算出が必要ですし、通勤手当であれば、すでに支給済の定期代をいくら払い戻すのか、計算が必要です。
システムを利用することで計算自体は自動化できるかもしれませんが、計算の元となる人事情報の変更は適切なタイミングでメンテナンスする必要があります。
また、情報のメンテナンスに加え、給与計算には必ずしも最新の人事情報を利用するわけではないので、「給与計算用データ」を別途作成する必要があったり、定期代の払戻計算は給与計算システム外で行う必要があったりします。このように、人事情報を更新するだけでは給与計算に反映できない細かな事情が多い点も、自動化を難しくしている一因です。
2.複雑な賃金形態、給与項目の多さ
多くの企業では、企業の賃金規定によって基本給のほかにも、手当という形で多くの給与項目が設定されています。たとえば、毎月の固定的な支給であれば役職手当、通勤手当、家族手当、住宅手当、個人の保有資格に応じて払われる資格手当等があります。
変動支給であれば、時間外手当や、休日・深夜手当等勤怠データに基づく手当の他、その日の勤務内容に応じて支払われる危険手当といった特別手当もあるかもしれません。
他にも、福利厚生にかかわる制度や社内制度に応じた支給・控除も存在します。たとえば、生命保険、財形、持株会、持株奨励金、共済会、経費精算、社内販売等に伴う支給・控除等、給与で経費的な内容も含めて計算するのが日本企業の給与計算業務です。
さらに月中で、休職や退職、役職や等級変更等があれば、日割り計算を行うケースもあります。また、昇給の確定が昇給日以降になる場合や、従業員の家族情報や住所情報の手続き遅れが判明した場合は、遡及計算が発生します。その結果、税金や社会保険料へも影響が出るため、複雑な計算を行う企業も多く存在します。
3.様々な雇用形態・支給形態の従業員への支払い
正社員・パート/アルバイト等の雇用形態によって締め日や支払日が異なる場合もあります。たとえば、正社員は当月末締め当月25日払い、パート/アルバイトは前月末締め翌月10日払い、というような場合にはそれぞれのスケジュールに沿った計算が必要です。
グループ会社や子会社等複数の会社の給与計算を行うシェアードサービス会社では、それぞれ制度の異なる会社の給与計算を行っている場合もあります。
給与計算の負担を減らし、自動化を実現するためには?
こうした複雑性の高い給与計算に関する手作業を減らし、給与計算担当者の負担を減らす方法は主に2点あります。
Point① 入力業務の削減
まずは入力業務の軽減が挙げられます。
情報登録から人事マスタへの反映、給与計算用のデータ作成までの一貫したデータの流れを作ることで、担当者の入力や確認の負担を減らすことが可能です。
従業員が勤怠入力や個人情報の申請(家族、住所、資格取得情報等)、手当申請等を行う際、紙やエクセルで人事部へ提出する運用をされている企業であれば、人事部においてシステムへの登録を行うことになります。
また、従業員からの情報収集は既にシステム化されていても、給与計算に際しては、勤怠データをエクセルをはじめとする表計算ソフトに出力し、加工したうえで給与システムに連携する作業を行っていることもあります。通勤経路や家族情報の変更に伴い支給する手当の情報は、別途手入力で登録するといったケースもあるでしょう。
このように、システムへの入力やデータ加工の手間を減らすことは、給与計算の負担を減らすひとつのポイントになります。
【データの流れイメージ図】
では、実際の実現方法について見てみましょう。
【通勤手当の申請】
従業員がWeb上から通勤経路の新規申請や、経路変更を申請します。
そして申請した内容がワークフロー上で上長や人事部により承認された結果、給与計算用データとして給与計算機能へと連携、そして通勤手当として支給されるようにできると、入力負荷が軽減されます。
【年末調整】
扶養や保険料等に関する従業員のWeb上からの申告情報をもとに、控除額の計算、還付./徴収額の算出、給与への反映、そして源泉徴収票や支払報告書等の帳票作成までを一貫して処理。そうすることで、入力の手間を削減することが可能です。
【現場部門からの発令の稟議申請】
多くの場合、人事部において入退社・異動・休職等に関する毎月の発令登録を行いますが、各現場のマネージャーや部門長等がWEB上で発令に関する稟議申請をすることが可能です。
承認された申請内容が人事システムに予定情報として連携されると、現場と人事部での二重入力が不要となります。
Point② 情報の一元管理
もう1つのポイントは、情報の一元管理です。
上述の通り、日本の多くの企業では賃金規定や評価制度、福利厚生制度で定められた様々な支給・控除を給与計算に反映しています。しかしその多くは、それぞれの情報をそれぞれのシステムやエクセル等で管理し、毎月の給与計算のたびにデータをメンテナンスして、給与計算システムへ連携するという煩雑な作業が発生しています。
しかし、多様な人事関連情報を一元管理することで、管理の手間を軽減し、給与計算に必要なデータのスムーズな連携を実現することが可能です。
たとえば、財形・持株会・貸付金・寮社宅等の福利厚生制度の管理、昇格や昇給に密接に絡む評価管理、勤怠管理等、給与計算にまつわる幅広い業務をサポートする機能が標準機能として搭載されていると、情報の一元管理が可能になり、給与計算の負担を軽減することができます。
COMPANY給与計算システムで実現する業務効率化
人事領域を網羅した製品群で、情報のシームレスな連携が可能
当社製品COMPANYでは、入社から退社までの従業員のライフサイクルを支援する幅広い製品群を用意しています。特に給与計算においては、給与計算に必要な従業員の人事データの収集・管理から計算、チェック、給与明細の発行、そして各種帳票作成や社会保険手続きまでの一連の流れをカバーしています。
二重入力を減らし、各種人事・勤怠情報データが給与計算システムへとシームレスに連携することで、給与計算業務の手間の大幅削減・自動化が可能です。
給与計算を効率化するための豊富な機能を用意
また、情報の一元管理・連携ができるだけではありません。月例給与計算に伴う日割りや遡及計算、給与明細の作成機能はもちろん、社会保険の届出や会計システムへ連携する労務費データの作成、大手企業で求められる海外給与、出向費用の計算や、各種計算結果のチェックを楽にする機能等、給与計算の自動化を推進するための細やかな機能を備えています。
給与計算の自動化でさらなる業務効率化を実現
今回、給与計算の自動化を実現するポイントとして、入力業務の削減や情報の一元管理をお伝えし、その手段の1つとして当社製品COMPANYをご紹介しました。
COMPANYは、20年超にわたりお客様に必要とされる機能を「標準機能」として開発することで進化を続けてきた製品です。その間、世の中のテクノロジーは進化し、ニーズも変化しました。
その結果、システムを入れるからには業務が自動化・効率化されることは当然のことで、最近では「何ができるか」、ではなく「どう簡単にできるか」が求められています。
本日紹介した機能は一部ですが、COMPANYには他にも、これまでは担当者が運用でカバーすればよいと思われてきた例外処理をシステムで吸収し、給与計算を自動化するための細やかな機能を多数備えています。
システムで無駄な手作業に割く時間を減らし、人が考えるべき仕事を行うことで企業を強くする。その実現を、COMPANYは支援します。