その年の時流・トレンドに合わせたテーマを掲げ、毎回各分野をリードする著名な方々にご登壇いただいているビジネスカンファレンス「COMPANY Forum」。2022年は約2,000名の方にご参加いただき、無事終了しました。
イベントのテーマは、「働きがいも企業成長も」です。
社会を取り巻く環境は激しくうねりながら変化し、はたらく人の価値観を変え、企業には真の組織作りが求められています。従業員と企業の両者が「真価」を発揮し、働きがいと企業成長の両方を実現するための戦略や考え方とは。
各界のパイオニアの方々に、様斬な角度で考えるためのヒントを語っていただきました。本記事では、その一部をご紹介します。
講演内容の全貌を知りたい方は、以下よりダウンロードしてご覧いただけます。
目次
ーイベント概要
ー講演概要
・勝利をつかむ“最強かつ最高”の組織づくり/井上 康生 氏
・「遊び心」が仕事をつくり、やりがいを生む/コシノジュンコ 氏
・WHIよりご挨拶「働きがいも企業成長も」/安斎 富太郎
ーほか講演レポート収録内容
イベント概要
開催概要
名 称 COMPANY Forum 2022‒ 働きがいも企業成長も ‒
日 時 2022年11月22日(火)
会 場 東京都港区/オンライン同時配信
参加条件 無料・事前申し込み制
主 催 株式会社Works Human Intelligence
講演概要※一部抜粋
勝利をつかむ“最強かつ最高”の組織づくり
全日本柔道連盟強化副委員長/元全日本柔道男子監督
井上 康生 氏
組織の方向性と理念固めから始めた監督の仕事
私は5歳のときからはじめた柔道に、今もなお仕事として携わっています。柔道は勝利の喜びや負けたときの苦悩のほか、それを乗り越えるレジリエンス能力、勝つための戦略的思考等様々なことを教えてくれました。
多くのチームメイトやライバルとの出会いもあり、柔道を学ぶ中で「生きる力」を養うことができたと思っています。
特に柔道の全日本男子監督を務めたことは、とても貴重で大きな経験です。2012年のロンドンオリンピック。柔道日本勢は振るわず、特に男子においては金メダルゼロという厳しい結果に終わりました。
その中で突然打診をいただいた私は監督経験もなく、34歳と若かったこともあり、正直不安と戸惑いでいっぱいでした。
しかし周囲の後押しを受け、「監督ほど重責ある仕事はない、その中で戦っていかないといけない。生半可なことじゃできないぞ」と覚悟を持って引き受けることを決断しました。
監督に就任して最初に取り組んだことは、チームの方向性を示していくことでした。まず決めたのはミッション・ビジョン・バリューです。
掲げたのは「自己実現と社会還元のために、最強かつ最高の組織づくり」。社会の中で私たちの担う役割について考え、最強・最高を目指して成果を挙げる。これが私たちの使命でした。
そして選手一人ひとりの目標に対し、コーチ・監督・スタッフ全員が同じ方向を向いてサポートするチームを作っていかなければならない、そうした思いもありました。次に行ったのは、選手たちに「日本代表とは」という理念を伝えること。私が一番に伝えたのは「自分自身のために戦う」ことです。
つづく
〈つづきの講演内容 ー全文はこちらー〉
・敗北の痛みから抜け出すために。改革重視のチーム作り
・巻き込み型のコミュニケーションで意識を醸成
・データ&テクノロジーの活用で掴んだメダル
・社会と繋がり柔道界を次のステージへ
「遊び心」が仕事をつくり、やりがいを生む
デザイナー
コシノジュンコ 氏
コロナ禍もチャンスと捉えて前向きに
新型コロナウイルスが国内ではじめて確認されてから、もう2年半が経とうとしています。コロナ禍で世界中が変わったとき、夢から覚めるような感覚がありました。これまでやってきたファッションショーも中止になり、そうした活動の一切が制限されてしまったわけです。
しかし私は自粛期間中も勝負どころだととらえ、やりがいと達成感を覚えながら仕事を続けてきました。その時、仕事に追われて後回しにしてしまっていたこと、興味はあるのに時間がないからと手つかずだったこと、それらにトライするよいチャンスだと思いました。
新型コロナウイルスが流行りはじめた当時の日本は大変静かな期間で、私はまるで江戸時代の鎖国のように感じていました。鎖国の時代は、外国の影響をあまり受けず日本独自の文化が生まれ出した時代でもあります。そのためこの現状を「鎖国時代だと思えばどうかしら」と考えました。
言い換えれば、今までのファッションは、外国への憧れやトレンド等を常に意識していましたが、新しく自分らしい文化を作り出してはどうかと問いかけたのです。これは私の夢へと変わりました。
夢とは常に成長し、固定しないものです。目には見えませんし、形をどんどん変えていきますが、いずれ希望やビジョンとなって形作られていくのだと私は考えています。
「遊びがい」を持ち、コミュニケーションを新しい発想のヒントに
希望やビジョンができたら、それに向かって行動します。何でも動いてみることで、必ず成果はついてくると思います。働くことも同じで、ひとつの目標からスタートし動くのです。
私は週2回ほど朝にジムへ通っています。頭と体を動かすためもありますが、ルーティンとしてブレずに続けることも大切だと感じているからです。運動は「運が動く」と書きますし、前にしか走りません。
必死で動くと頭の中がクリアになってすっきりしますし、その状態で今日の仕事に取りかかれるのは「前向き」なことだと思います。このルーティンを長年続けられているのは、元気・健康の証です。最大の資本は健康そのものですし、元気がなければ誰かの役に立つこともできません。誰かのために動くことが仕事になり、やりがいにも繋がります。
私は仕事のやりがいと同じくらい「遊びがい」も重視します。遊びはコミュニケーションでもあります。様々な人と出会ったり、話をしたり、新しいアイデアに気付かされたり。これらはとてもクリエイティブなことです。人・場所・モノとの出会いによって、どんどん発想が変わり、思ってもみなかった化学反応が生まれていくことは自身の活力になるでしょう。
つづく
〈つづきの講演内容 ー全文はこちらー〉
・信念を持ち、継続・チャレンジする勇気
・おもてなしの精神は「表無」
・ネガティブな出来事もマイナスからプラスの発想で
・コシノジュンコ流の「かきくけこ」
WHIよりご挨拶「働きがいも企業成長も」
株式会社 WHI Holdings
株式会社 Works Human Intelligence
代表取締役最高経営責任者
安斎 富太郎
人生100年時代といわれるこれからは、「働く時間」と「働ける時間」が大幅に増えます。また新型コロナウイルスの流行により仕事の進め方が変わり、働き方も多様化しました。そんな中、一人ひとりがいかにやりがいを感じて生産性を高め、自己成長・自己実現を味わうかが、より重要になるでしょう。
一方、企業の経営者は、少子高齢化による労働力不足を抱えながら産業構造の変革やDXに対応し、企業価値を高める必要があります。従業員の働きがいと企業成長、両立させるためには何が必要なのか、人事領域の視点から見ていきたいと思います。
アメリカに見るHRテクノロジーの潮流
まずアメリカの動向に目を向けてみましょう。アメリカの労働市場は一言でいうと「Great Resignation(大量自主退職時代)」。2021年9月には自主的退職率が3%に達しました。
新しい職を求めたり、キャリアを伸ばしたりとポジティブな退職もあれば、燃え尽き症候群のようなネガティブな退職もあり、とにかく退職者が増加しました。
経済面ではコロナ禍でも急激な景気回復と成長を続けているものの、今起きているインフレーションが最終的にはアメリカに見るHRテクノロジーの潮流スタグフレーションに転じるという見方もあり、経済・ビジネスは動向が読めません。
いずれにせよ、この状況は労働力の確保へ大きな影響を及ぼします。これまでは外部労働市場に働き手を求めていたのが、おのずと内部労働市場に着目し、今社内にいる従業員の生産性向上に注力する流れが起きています。ここでキーワードとなるのは「Employee Experience」と「Talent Intelligence」です。
生産性の観点から見ると、近年の産業構造の変化により、価値の源泉は業務プロセスやマーケティングから「個々の従業員」にシフトしています。2010年以降、特に昨今は、Employee Experienceに注目が集まっています。
従業員が企業で働くことによって得る経験のすべてを指し、仕事に対する感情的な側面も含まれます。これを総合的に向上させることが従業員のやりがい、ひいては企業価値の最大化に有効だとされています。
Talent Intelligenceは一言でいうと「適材適所をどう実現するか」です。人を配置したいジョブと、経歴・経験・資格等から導かれる従業員の保有スキルを、将来的にはAIを使いながらマッチングさせます。これにより、現時点での最強・最良のアライメントが期待されます。
ここで必要なのは、今まで潜在化していたデータを顕在化して管理し、個人のデータを完備することです。関連して、もう1つの観点は「マイクロHRサービス」です。
採用や教育、福利厚生等、人事領域の一部を提供する便利なサービスは数多く存在しますが、体系的に利用するのが難しい。サービス間でデータが分断され、管理が困難な状況に直面しているそうです。
以上を踏まえ、これからのHRテクノロジーは、「Transactional Talent and HCM」(従来からある企業人事情報システム)をベースに、Talent Intelligence とEmployee Experienceを加味した三層のHRテクノロジー構造が必要だといわれています。
つづく
〈つづきの講演内容 ー全文はこちらー〉
・日本における働き手・企業の変化
・「人に真価を。」を実現するHCMのフルスイートの提供を目指して
ほか講演レポート収録内容
「両利きの経営 2.0 - VUCA 時代のイノベーション戦略 -」
ハーバード・ビジネススクール名誉教授
マイケル・タッシュマン 氏
・「探索」と「深化」を進める「両利きの経営」とは
・日本における両利きの経営事例
・成功の背景にあるのは企業の構造と 自己変革能力
・構造的両利きでイノベーションに成功したクラウドフレア
・持つべきは自社のアイデンティティ
・矛盾の中で生き抜くリーダーと強さが必要
「企業の未来を照らすリーダーシップ論」
ソニーグループ株式会社 シニアアドバイザー/一般社団法人 Project KIBO 代表理事
平井 一夫 氏
・超競争ビジネス環境で必要とされる「モチベーショナル・リーダーシップ」
・モチベーショナル・リーダーが持つべきスキルはEQ
・発揮すべき3つのリーダーシップ
・モチベーショナル・リーダーに必要な力とは
・真のモチベーショナル・リーダーになるために
「22 世紀の社会」
経済学者・データ科学者
成田 悠輔 氏
・いまこそ古い概念のアップデートが必要
・「民主主義」と「資本主義」のアンバランスさ
・民主主義の敗北は経済活動の失墜に繋がる
・インターネットによる民主主義の劣化
・無意識データを活用した高次元な民主主義
※文責:COMPANY Forum 2022 事務局
講演内容の全貌を知りたい方は、以下よりダウンロードしてご覧いただけます。