年間約12,000人の入社申請をデジタル化。
現場の事務負担を大幅に削減

ヤマト運輸

写真左より:働きやすい職場作り推進部 人事情報システム開発推進課 スーパーバイザー 中澤 香里 様、係長 田部 希 様

法人名
ヤマト運輸株式会社
本社所在地
東京都中央区銀座2-12-16
設立
2005年(平成17年)3月31日
資本金
500億円
従業員数
165,420名(2024年3月31日時点)
主な事業内容
物流事業全般および関連事業

「『次の運び方』で、くらしとビジネスのベストパートナーに。」をスローガンに、数々の革新的なサービスで物流業界をリードし続けているヤマト運輸様。宅配サービスをはじめ各種事業を支える全国3,500か所以上の拠点において、毎月1,000名近くの従業員が入社されています。

同社は2021年10月に「COMPANY 雇用手続管理(HPM)」を導入し、入社申請手続きのデジタル化を実現されました。今回、HPMを選んだ決め手や導入後の効果、全国展開に向けた取り組みについてお話しいただきました。

課題

・紙による事務作業に追われ、コア業務への注力が困難に

・デジタル化により現場と内定者の作業負荷軽減を目指す

採用理由

・柔軟かつ制御もできる設定で不適切な入力を自動的に排除

・基幹システムとのAPI連携も高く評価

効果

・入社手続きの事務工数、1人1時間超が約30分へ半減

・内定者は年間1.2万人、1人につき20種類もの紙が削減

 

 

――まずは、ご所属・ご担当と、COMPANYにどのように携わっているかを教えてください。

田部様:
私と中澤は、主に人事関連システムの導入推進や管理を担当していまして、今回導入したHPMについては導入前の段階から携わっています。現在、運用も中澤と2人で行っています。

COMPANYのご利用状況

――現在のCOMPANYのご利用状況を教えてください。

田部様:
2021年10月にHPMを導入し、全国約3,550か所の拠点(本社や各地域の営業所等)で採用した方々の入社申請手続きに利用しています。入社人数は毎月1,000名程度おりますので、年間12,000名ほどがHPMを通じて入社手続きを行っている状況です。

ヤマト運輸は拠点数が多いため、HPM導入をいきなり全国で展開したわけではありません。最初は1主管支店のみでトライアル運用を行ってから10主管支店へと拡大し、効果測定を経て全国90主管支店に展開しました。

また、トライアル運用の段階では中途入社者とパート従業員が対象でしたが、全国展開後の2023年4月からは新卒採用の入社手続きにもHPMを利用しています。現在はグループ会社への導入も進めており、利用規模は今後さらに拡大する予定です。

 

 

導入製品 : HPM

● HPM(COMPANY 雇用手続管理):入社時の契約書など必要書類の提出・受理といった雇用手続きをオンラインで実施する機能

 

 

導入の経緯根強く残る紙文化。特に紙利用の多い入社手続きから改善を

――HPMを導入することになった背景や経緯をお聞かせください。

田部様:
当社は紙文化が根強く残っていて、入社手続きに限らず人事関連のあらゆる申請業務を紙ベースで行っていました。人事業務に携わる主管支店や営業所の担当者は書類の処理に毎日追われ、本来やるべきコア業務に集中しづらい状況でした。

ペーパーレス化を推進すれば、紙代や郵送費等のコストを削減できるメリットもありますが、それ以上にコア業務に集中しやすい環境を早急に整えることが重要だと考えていました。

このような背景から、ノンコア業務である申請業務をデジタル化し、担当者が本来注力すべき業務やお客様対応に十分な時間を確保できるよう業務改善を進めることになりました。

 

――当初は申請業務全般をデジタル化する方針だったのですね。なぜ入社手続きに特化することになったのでしょうか。

田部様:
基本的にヤマトグループではシステムを内製しているため、多種多様なワークフローシステムを一つひとつ開発するとなると膨大な期間とコストがかかります。もちろん、内製であれば自社の人事制度やルールに細かく対応したシステムを開発できますが、業務改善をスピーディーに進めることは難しくなります。

経営層の方針もあってワークフロー関連についてはパッケージ製品を導入することになったのですが、その場合でも既存システムと一つひとつ連携させる作業が発生します。開発期間が長期化することは避けたかったので、まずは業務改善のインパクトが大きい領域から着手することになりました。優先度を検討した結果、特に各営業所の業務負担が大きい入社申請のデジタル化から着手しようという結論に至りました。

中澤様:
入社手続きのために内定者が提出する申請書類は1人あたり10~20種類ほどあり、すべて紙書類を提出してもらっていました。その内容を営業所長がexcelに打ち込んだ後、一つ上の主管支店へ提出されます。そこからさらに主管支店の担当者が人事システムに登録する流れでしたから、チェック作業も含めると非常に時間がかかりましたし、煩雑でした。入力・転記ミスも多く、修正対応の手間もかかっていました。

また、内定者が提出した書類は1人分ずつ封筒にまとめて保存し、数年後に廃棄する必要があるので管理も大変でした。今回の取り組みにあたって、入社手続きに使用していた紙の使用状況を改めて確認したのですが、予想以上に大量の紙を使用していたことがわかり、とても驚きました。

田部様:
そもそも入社手続きは提出書類が多く、内定者の方の負担が大きいんですよね。紙の申請だと名前や住所を何度も記入しないといけないですし、書類に不備があると何度もやりとりすることになります。デジタル化をすれば手続きがスムーズになり、内定者の負担も軽減できます。内定者の方にとっても、手続きがポンポンと進む会社のほうが好印象ですよね。

 

働きやすい職場作り推進部 人事情報システム開発推進課 スーパーバイザー 中澤 香里 様

選定の理由設定が自由なうえに制御も可能。基幹システムとのAPI連携もできる

――HPMを採用した決め手はどのような点でしたか。

田部様:
年間1万人以上の採用規模に対応できるシステムが限られていたため、選定の初期段階で候補は数社に絞られていました。その中からHPMを採用した最大の決め手は、柔軟に設定ができる点です。

単に自由度が高いだけではなく、HPMでは「この項目は上限値を設定したい」「入力規制をかけたい」といった制御ができます。自由度が高いシステムは他にもありましたが、制御機能がなかったんです。制限もつけることができないと、例えば「交通費50万円」といった不適切な入力もできてしまうことになります。

営業所で働く従業員の中にはパソコン操作に不慣れな方もいるため、このような誤入力を防ぎ、差し戻しの手間を軽減できるシステムを求めていました。

もう一つの大きなポイントは、基幹システムとの連携のしやすさです。他社さんのシステムではデータ連携のために大掛かりな開発が必要でしたが、COMPANYはAPIが充実しています。双方の負担が少なく、スムーズに連携できることは大きな魅力でしたね。

 

働きやすい職場作り推進部 人事情報システム開発推進課 係長 田部 希 様

導入の効果デジタル化により主管支店に業務を集約。入社手続き全体の業務工数が半減

――HPMを使ってみて、率直にどうでしょうか。効果やメリットを感じている点があれば教えてください。

田部様:
HPMの導入に伴い、入社手続きの業務一切を主管支店で行うように集約を行いました。営業所長には書類業務を行わせないように徹底したことで、内定者とのコミュニケーションやお客様対応の時間を確保しやすくなったと思います。各地域の営業所長もすごく喜んでくれているようで、評判は上々です。

集約によって主管支店の業務範囲は増えたものの、HPM導入後は入社手続き業務の工数が大幅に削減できたので、業務量は変わっていないと見込んでいます。

最初の頃は、主管支店から「仕事を増やされた」と言われたこともありましたが、最近はネガティブな声はほとんど聞かなくなり、意識の変化を感じています。実際にHPMで手続きがスムーズに流れることを経験すると、紙に戻りたいとは思わないようですね。

中澤様:
HPM導入前の入社手続きの工数は、営業所・主管支店・本社の作業を合わせて内定者1人あたり1時間以上かかっていましたが、導入後は30分程度に削減しました。また、HPMに登録した情報は人事基幹システムに自動連携されるので、本社側での人事情報登録・チェック作業は1件あたり数分程度で完了します。

毎月、主管支店ごとのHPMの利用状況を集計して全国に配信・共有しているのですが、当初30%程度だった利用率が直近の入社分ではほぼ100%に到達し、HPMがしっかり根付いてくれたことを実感しました。

 

 

――HPMで気に入っている点や、よく使う機能等はありますか。

田部様:
内定者が使用するナビゲーション機能が気に入っています。個人情報に関する質問に「はい・いいえ」で回答するだけで必要な申請書類が自動的に選定されて、すべて表示されるので、内定者の方は迷うことなく手続きを進められるようになりました。

主管支店の担当者は、ナビゲーション通りに書類が提出されたかどうかを確認するだけで済み、チェック作業も効率化したと思います。

中澤様:
内定者によって必要な申請書類が異なるので、ナビゲーション機能は便利ですよね。以前は申請書類の一覧リストから自分に該当するものを選ぶ必要がありましたが、説明文をきちんと読んで不備なく提出するって、できそうでなかなかできないと思います。HPM導入後は、書類の提出漏れを防げるようになったと感じています。

 

HPMのナビゲーション機能 イメージ

HPMのナビゲーション機能 イメージ

今後の展望グループ全体にHPMを展開し、紙ベースの申請手続きを完全になくしたい

――最後に、今後の展望についてお聞かせください。

田部様:
今後はヤマトグループ全体へHPMを展開していく予定です。すでに取り組みは始まっており、さらなる業務効率化とペーパーレス化を推進していきたいと考えています。また、現段階ではまだ使っていないHPMの機能があるので、たとえば契約更改や外国語対応等の機能も積極的に活用したいです。

中長期の展望としては、従業員の申請手続き全般をデジタル化し、紙ベースのやり取りを完全になくすことを目指しています。グループ全体でより重要度の高い業務に注力できるよう、これからもCOMPANYを活用しながら業務改善に取り組んでいきたいですね。

※本記事は2025年2月時点の内容です。

 

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