システム統合でグループ会社の勤怠管理を標準化。
リスクへの備えも推進
左より:株式会社明治ナイスデイ 管理センター本部 労務センター長 小原 啓記 様、株式会社明治 人事部グループ 業務推進グループ グループ長 大木 智 様、
株式会社明治 人事部グループ 業務推進グループ 井上 雅道 様
- 法人名
- 株式会社明治
- 本社所在地
- 東京都中央区京橋二丁目2番1号
- 設立
- 1917年12月21日
- 資本金
- 336億4千万円(2023年5月時点)
- 主な事業内容
- 牛乳・乳製品、菓子、食品の製造販売等
「健康にアイデアを」をスローガンに、菓子や食品を通じて、ひとりの健康からみんなの笑顔につなげていくことを目指す明治様。
2004年にCOMPANY人事・給与、COMPANY Web Service、COMPANY就労・プロジェクト管理を採用。グループの給与業務の統合や明治本体の勤怠管理に取り組まれてきた中、グループ各社の勤怠管理は個社個別のシステムで管理している状況でした。
このたび、法令に即した適切な管理やガバナンス強化を目的に、グループ全体でCOMPANY就労・プロジェクト管理の導入を進められています。
グループの勤怠管理を1つのシステムで実現するにあたって重視した考え方や、システム選びのポイント、今後の展望を語っていただきました。
課題
・グループ各社の勤怠システムがバラバラ、横断管理ができない
・法令強化や内外の環境変化に、素早く適切に対応したい
採用理由
・追加コストなしで自社要望に応えられる高レベルの機能
・COMPANY機能を理解しておりグループ展開がしやすい
効果
・より実態に近い勤怠データの把握と法改正への迅速な対応
・自社による自由な帳票作成でリードタイム短縮
導入の経緯既存システムの保守切れと社会環境の変化への対応
――システム検討のきっかけや、背景をお聞かせください。
大木様:
もともと、親会社である明治は2004年よりCOMPANYを利用しています。そのため、COMPANY就労・プロジェクト管理で勤怠の管理をしていましたが、グループ各社はそれぞれ自前の勤怠システムで管理を行っていました。さらに一部の会社については、明治グループのシェアードサービス機能である明治ナイスデイ提供の、他社勤怠システムを利用していました。
今回の検討のきっかけは、他社システムの保守切れが迫っていたことと、労働法の規制強化や働き方改革推進等の環境変化です。法令に即した適切な管理や内外の変化に対するスピーディーな対応、グループ横断で利用可能なしくみがあることを求めていました。
選定の理由機能レベルの高さやコストの低さ、グループ展開のしやすさを評価
―― COMPANYを選定された理由についてお聞かせください。
小原様:
機能性やコスト面・グループへの展開のしやすさ等を総合的に判断し、COMPANYを基盤にした新勤怠システムの導入を決めました。また、明治でCOMPANY就労・プロジェクト管理を利用しており機能も理解していたため、どのようにグループ会社へ展開していくべきか完成形が見えやすかったことも理由のひとつです。
検討にあたっては、複数のクラウドサービス含めて話を聞き比較しました。しかし、当社が求める管理レベルを、他社のしくみではなかなか実現できませんでした。
大木様:
たとえば、他社のしくみでは時間帯に応じて支給する手当項目は1つしか持てません。そのため、項目がないものや足りないものは、すべて備考欄で管理しなければいけませんでした。
また、勤務実績と客観打刻に差異があった際に、メッセージ表示はできるもののエラーとして弾くことができず、新勤怠システムの導入目的である適正な勤怠管理を実現しがたかったのです。
小原様:
私たちが求める水準で管理するには追加開発を必要とするものが多く、ある製品は追加開発に対して追加の保守費用がかかるとのことでした。そのためコスト面でもCOMPANYに優位性がありました。
左より:株式会社明治 人事部グループ 業務推進グループ 井上 雅道 様
株式会社明治 人事部グループ 業務推進グループ グループ長 大木 智 様
導入の効果システム・運用両面の標準化で、グループ全体の正確な勤怠情報を把握
―― COMPANYをグループ展開されたことで、どのような効果がありましたか?
井上様:
従来のシステムは、遅刻や残業があったときのみの入力で、定時通り出社・退社した場合には勤怠システムを触らない運用でした。そのため日次レベルで十分な勤怠管理をできておらず、勤務実態を正確かつタイムリーに把握することに課題がありました。
今回の導入では、システムを正確な勤怠管理ができるように設定することはもちろん、各社の運用も改善し標準化したことで、グループ全体がより実態に近い勤怠データを把握できるようになりました。
COMPANYでの勤怠管理導入後も、運用は基本的に各社の人事総務担当が担うことを前提としています。グループ共通の勤怠システムになったおかげで、親会社である明治が各社の勤務実績の現状をタイムリーに確認でき、法改正に素早く一律の対応ができるようになりました。
曽根様:
また、これまで帳票を作成する際にはベンダーに開発を依頼する必要があったため、追加コストや工数もかかり、リードタイムが長くなっていました。COMPANYではAERO(※)を利用して、自分たちが見たい観点で自由に帳票を組むことができます。
共通で利用するようなAEROやマニュアルについては、明治ナイスデイにて作成し、各社へ提供・公開しています。
※AEROとは…「勤怠情報照会(通称:AERO)」というCOMPANY就労・プロジェクト管理の機能です。勤務実績画面で入力した勤怠管理に関する情報や申請画面で入力した情報等、COMPANY就労・プロジェクト管理で管理されている勤怠に関するデータをWeb画面上に表示することができます。
活用の方針勤怠管理水準を高く揃え、横断管理を徹底することでリスクにも備えを
―― 今回の導入で期待する、COMPANYの活用イメージを教えてください。
井上様:
今回のプロジェクトは、2024年4月に保守切れ予定の旧システムを利用している会社から、優先的に導入を進めています。それらの会社への導入が一段落すれば、自前のシステムで勤怠管理をしている他のグループ会社へも展開していく予定です。
グループ全体で勤怠システムをCOMPANYに統一することで、各社でばらばらだった労働時間管理を高い水準に揃えることができ、勤怠の情報も横断して確認できるしくみにすることで、リスクへの備えも進むと考えています。
―― 今後、COMPANYを活用して取り組まれる予定の施策はありますか。
曽根様:
現在明治グループではCOMPANYの給与システムの統合がほぼ終わり、続いて勤怠システムの統合を進めているところです。その次は、グループ会社のペーパーレス化にも取り組んでいきたいと考えています。
たとえば入社時の給与振込口座や家族情報の申請、年1回実施している自己申告(仕事への満足度や異動希望調査)、評価等、明治本体はCOMPANY Web Serviceを利用してペーパーレス化できていますが、グループ会社はまだ紙管理です。これらの領域もWeb化を推し進めていきたいところです。
また、将来的にVer.8にバージョンアップしクラウド化できれば、1人1台PCを持っていない従業員も、個人所有のスマートフォンやPCからの申請ができるのではないかと期待しています。
現行のCOMPANYでは、たとえば社会保険の電子申請等、まだまだグループ会社で使い切れていない機能が多いので、一つひとつ優先順位を付けて取り組んでいきたいです。
左より:株式会社明治ナイスデイ 管理センター本部 労務センター労務2課 課長 曽根 貴裕 様
株式会社明治ナイスデイ 管理センター本部 労務センター長 小原 啓記 様
―― 最後に、COMPANYユーザーの方々に一言メッセージをお願いします。
小原様:
COMPANYには多くの機能があるものの、使いこなせていないと感じているユーザーさんも多いと思います。利用しようと思えばすべての機能を利用できるライセンス体系になっているため、自社で活かせそうな機能は使い倒せるとよいと考えています。
また、よくも悪くもCOMPANYはシステムを活用するスキルさえ習得できれば、多くのことに対応可能なしくみです。明治グループのようにグループ各社各様の制度があったとしてもシステム統合を実現できています。
大木様:
自社の制度や文化がしがらみとなり、実現できないこともあると思います。
難しいとは思いますが、思い切ってこれまでのやり方を変えてみることで、よりよい運用に近づけることもあるはずです。関係者の理解を得ながら、将来を見据え変化を楽しみつつ取り組んでいけるとよいのではないでしょうか。
※本記事は、2023年5月時点の情報です。
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