三井化学株式会社
写真右から:
グローバル人材部 タレントマネジメントグループ グループリーダー 辻󠄀 拓己様
人事部 企画グループ報酬企画チームリーダー 古村 達也様
モビリティからヘルスケア、フード&パッケージングを中心に、化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を目指す三井化学様。長年抱えていた人的課題と、グループ統合型プラットフォーム導入の背景、そして三井化学様が目指されているあるべき姿について語っていただきました。長期経営計画と連動する人材戦略から、どのようにCOMPANYを含む各種人事システムを選定され、検討を進められたのか。三井化学様の今後の展望に迫ります。
- 法人名
- 三井化学株式会社 (Mitsui Chemicals, Inc.)
- 創立
- 1997年10月1日 (設立年月日 1955年7月1日)
- 本社所在地
- 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
- 資本金
- 125,331百万円(2021年8月時点)
- 売上高
- 連結 1,211,725百万円(2021年3月期)
- 経常利益
- 連結 74,243百万円(2021年3月期)
- 拠点数
- 国内製造拠点:工場6
国内販売拠点:本社、支店3 - 主な事業内容
- モビリティ事業、ヘルスケア事業、フード & パッケージング事業、基盤素材事業
業種
課題
・複雑化したシステム利用に高度な知識と多額なコストが必要
・柔軟かつスムーズな法改正対応や現場の即時対応が困難
採用理由
・大手製造業の運用に必要な機能を網羅的に完備
・業務標準化を前提としたオペレーションを構築可能
効果
・外部環境変化や独自の社内制度にも追加コストなしで対応
・システム運用のアウトソースから内製化への方針転換も可能
導入の経緯長期経営計画達成のための人材戦略実現を目指して
――はじめに、システム検討を始められたきっかけについて教えてください。
辻󠄀様:
現在、三井化学本体では、人事給与・就業管理業務において、オンプレミスの人事システムを活用しており、タレントマネジメント領域においては、クラウドベースのシステムを活用しています。E-learningをはじめとする一部機能をグループ・グローバルベースで展開していますが、人員・人材情報管理という観点では、コア人事機能はグローバル統合がなされていません。そのため、各グループ会社が使っているコア人事のシステムから、RPAを活用し、マニュアル作業でデータを吸い上げ、当該クラウドベースの人事システム上で、人材管理を行っています。
しかしながら、
・各グループで利用しているコア人事システムからマニュアル作業でインプットしている、かつ、毎月エクセルを利用して収集しているデータであるため、グローバルタレントマネジメントシステムで管理しているデータの信頼性が低い
・国内で利用している現行のコア人事/給与システムの保守が切れてしまう
(システムをバージョンアップすれば使えるものの、当該バージョンアップに相当の投資が見込まれる)
・現行のコア人事/給与システムには多くのアドオンやカスタマイズ等の追加開発が行われており、システムを使いこなす人材の育成が難しい
といった課題等を抱えていたことから、今回グローバルタレントマネジメントシステムと国内のコア人事/給与システム・就業システム両方のリプレイス検討がスタートしました。
――実際にシステムを検討するとなった際に、どのように目的を置かれましたか。
辻󠄀様:
弊人事部門では、長期経営計画を達成するために、人材戦略を策定し、当該内容を毎年ローリングしつつ、各種人事施策の立案・実行に繋げています。
昨年度の人材戦略ローリングにおいては、内外の環境変化を考慮しつつ、以下3つを優先課題として改めて設定しました。
① 人材をいかに獲得・育成・リテンションしていくのか
② どのように社員のエンゲージメントを高めていくのか
③ グループ経営強化とガバナンスをどのように強化していくのか
しかし現行のシステム環境下では、これら3つの課題に対して十二分に実効を伴う人事施策を講じ、解決に導くには難しいと感じていました。
そこで、まずグローバルでのシステム検討にあたっては、これらの課題を解決し、企業競争力を高め、長期経営計画に沿う人材戦略の実現を支援するシステムを選ぶことを目的に据えました。
一方で、国内システムについても課題を多く抱えていました。
これまで我々はシステムをオンプレミスでバージョンアップせずに使ってきています。その結果、法改正があっても、リアルタイムにシステムでの変更対応ができず、運用面でカバーしたり手作業で対応したりせざるを得ない状況でした。それゆえ業務の属人化が発生し、後継者が育たないという課題もありました。
また、100本以上にもなる独自のアドオンを行ってきた結果、どれを利用しているのかしていないのかもわからないまま、年間の保守費用が増加しています。
今後、長期経営計画に連動した人材戦略を推進していくためには様々な人事制度変更が必要です。しかし、現行システムを使い続けるためには多額のバージョンアップ費用がかかるだけでなく、今後も必ず起こる法改正への対応に、さらに改修費用がかかることは明らかです。
そこで今回、国内のコア人事/給与システムにおいて、何があるべき姿なのか、をゼロベースで検討することにしました。
システム選定理由これからのあるべき姿を実現できるシステムを探して
――グローバルと国内とで目的を分けてシステム検討をされた結果、国内においてはCOMPANYを本体給与就業管理システムとして採用いただきました。その理由をお聞かせいただけますか。
写真:グローバル人材部 タレントマネジメントグループ グループリーダー 辻󠄀 拓己様
辻󠄀様:
グローバルのシステムも国内のシステムも共通で、
・製品機能の要件がそれぞれ我々の求める業務要件に合うか
・経済合理性があるか
・関係会社への導入に際し、混乱を回避できるか
・システムの設定スキルを内製化できるか
等の観点を基準に、選定しました。
特に国内においてはシステムの設定スキルを内製化できることは重要でした。今後の外部環境変化を踏まえると、コアな人事システム運用・設定業務を内製化することが、人事部門の持続性に繋がると考えています。
古村様:
アドオンやカスタマイズが増えると、業務に関して問い合わせや不明点があった際に、システム運用会社に都度問い合わせをすることが多くなります。そのため、現場から問い合わせがあっても即時の対応ができない、という課題を抱えていました。
その点でシステム設定スキルの内製化ができるか否かは、システム選定にあたって大きなポイントだったと思います。
辻󠄀様:
また、法改正や制度変更への対応の柔軟性はもちろんですが、我々も製造業であるため、三交替勤務をはじめとする複雑な勤怠制度等、様々な個別業務要件があります。それらを標準機能できちんとカバーできる製品であること、という点も非常に重要でした。
古村様:
当社は歴史のある会社なので、各種手当や就業ルール等はかなり複雑です。現行システムではアドオンが増えた結果、法改正があったときにはあらゆる箇所への確認が必要です。実際に、システム対応が2ヶ月遅れになってしまった結果、後から遡及対応するということもありました。バージョンアップを検討したこともありますが、やはり費用が高額になるため、暫定的な対応をせざるを得なかったという経緯です。
辻󠄀様:
ほかにも、コストやインフラ、保守費用、連携するシステム、製品の開発思想、ユーザー利便性、関係会社導入実績、といった観点を整理し、比較検討しました。
そのうえで、COMPANYはバージョンアップの頻度も高く、大手製造業の運用に必要な機能を網羅的に完備している。そして、標準化を前提とした効率的なオペレーションを構築するという点が、当社が目指すしくみと合致したため、COMPANYを選定しました。
アウトソースから内製化へアウトソースで出てきた課題と今後目指していく組織像
――スキルの内製化という話も出ましたが、これまでアウトソースをされてきた中で、どのような点に課題を感じられていたのでしょうか。
古村様:
人事スタッフにとって社員との直接的なコミュニケーションはとても重要です。それをきっかけに、人事施策や制度・運用の改善等において、様々なヒント、アイデアが得られることが多いからです。しかし、給与や身上変更をはじめとして、ほぼすべての実務プロセスをアウトソースしたことにより、社員と直接対話する機会が減ってしまいました。その結果、人事パーソンとしての必要な感性を磨く機会も減ってしまったのではないかと危惧しています。
また、アウトソースにより、いわゆる“ブラックボックス化”もかなり進んでしまいました。従来とは異なり、不透明、かつ変化の激しい時代であるため、発生した問題・課題に対して創造的・機動的に対応することが、今後ますます重要になってきています。組織としても、個人としても、そうした対応能力強化のためには、一定程度の内製化は不可欠であると考えています。
2009年からアウトソースを始めましたが、その後、当社の経営状況が厳しい時期に、間接部門省力化を強力に進めた時期がありました。その際、かなり細かな業務も切り出した結果、業務受委託関係や業務プロセスがかなり複雑になってしまったため、改めて検証し、整理する必要があると考えています。
アウトソースを選択される場合の理由の1つとして、業務コストの削減が挙げられると思います。今回アウトソースから一部内製化をされる場合、業務コストは上がると思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
古村様:
今後もシステムや業務プロセスを大きく変えていくことは必ずあると思います。それに備えて実務プロセス全体を俯瞰し、最適な判断ができる人材を計画的に育成していくことは不可欠です。また、前述のとおり、担当者個々人においても、業務プロセス・システムをきちんと把握し、日々発生する諸問題に対して機動的に対応する、そして必要な場合はシステム・プロセスを変更することができる能力の向上は今後、ますます重要になっていきます。それを実現するために一部内製化が必要であると位置づけているため、一定程度のコストの上昇は、将来の業務能力向上に対する投資と捉えるべきだと考えています。
今後の展望世の中のベストプラクティスを取り入れ、さらなる成長を
――最後にプロジェクトに対しての意気込み、期待をお聞かせください。
写真:人事部 企画グループ報酬企画チームリ-ダー 古村 達也様
古村様:
社員が元気よく働ける環境を作ることが我々の仕事です。そして、この仕事を効率的かつ効果的に支える環境が、今回作ろうとしている新人事システムの世界です。
これまで勘と経験・度胸に頼って仕事をしていましたが、人材データが1つのプラットフォームに統合され、あらゆるデータが取りやすくなることで、人事が本来集中すべき仕事に、より多くの時間が割けるようになると思っています。
今回選んだCOMPANYは、日本企業のベストプラクティスが詰まったしくみ。今までの業務を変えることには、必ず負荷が伴うものですが、大きな意義のある仕事、将来の自らの業務を楽にする仕事であり、“楽しい仕事”がやってきたと捉えています。
また、人事の仕事に関わる法律から規則、運用までの流れ、あるいは金融機関等の外部取引先とのデータの受け渡し、その元となっている企業間の契約等、広くまとめて学べる機会でもあり、一気にすべてを最適化するチャンスでもあります。
汗はかきますが、それぞれの仕事の意味も再確認できる貴重な機会です。そして必ずやプロジェクトに参画した各メンバーのやりがいと成長に繋がるものと思います。
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