コンセプト

「ERP導入プロジェクトで追加のコストはいただかない」という私たちのこだわり

当社の前身であるワークスアプリケーションズは、日本の大手企業向けの基幹業務パッケージソフトウェア(以下、「ERP」)を提供すべく、1996年に日本初のERPパッケージベンダーとして創業しました。当時、世界中でERPがバックオフィスの共通化によるITコストの削減目的で使われている一方で、日本には大手企業がそのまま使えるERPが存在していませんでした。そのため、海外のERPを軸に多数のアドオンソフトウェアを追加開発するというシステムインテグレーションモデル(以下、「SIモデル」)が存在しました。このような大幅なカスタマイズを伴うSIモデルによるERPの導入は、ITコストの削減には繋がりにくく、むしろ過去に自社開発を行ったシステムを維持するよりも高コストとなることもあり、日本のITコストが高止まりしている理由の一つであると当社は考えています。

SIモデルによるERP導入においては、プロジェクトの開始時に顧客の求める要件に対して必要な工数に基づきコストを見積もり提示することになりますが、見積もり段階であらゆる要件を想定することは極めて困難であり、要件定義や機能設計の段階で再度、導入ベンダーが追加コストを見積もり、請求することも一般的です。また、顧客の事業や制度に関わる内部環境変化や法制度やテクノロジーの外部環境変化に対しても、一般的には顧客が追加コストを負担することになります。このように多数の個別開発を伴うSIモデルでは、当初の見積もり段階で必要な機能等について明確な合意ができておらず追加の工数を要する場合や、内外の環境変化が生じシステムの変更が必要となった場合には、顧客の側からすると当初は想定されていなかった追加コストが生じることとなります。その結果、ERP導入の主要な目的の一つであるコスト削減が実現できないことになり、またコストが不明確な構造に起因してERPの導入を顧客において躊躇することにもなりかねません。

当社は、顧客が個別にコストをかけてカスタマイズを行わずそのまま利用できるパッケージとして製品を提供しており、上記のような環境の変化に対しても追加コストを発生させるべきではないと考えています。この考え方は当社が創業時から掲げる製品コンセプトの中核になる重要な理念、「ERP導入プロジェクトにおける当初予算に対して追加のコストはいただかない」という私たちのこだわりです。それを「ノーカスタマイズ」「無償バージョンアップ」「ギャランティメンテナンスサービス」という3つの製品コンセプトで実現しています。

ノーカスタマイズ 

「カスタマイズできない」のではなく、カスタマイズの必要がない。
つまり「追加コストが必要ない」システムであるということ。

当社製品には、日本を代表する約1,200法人グループの業務プロセスや業務ノウハウがつまっています。業種・業態を問わず、大手企業に必要とされる多種多様な業務要件や商習慣を汎用化し、「標準機能」として提供しています。そのため、どのような複雑な業務プロセスをもつ企業であっても、豊富な機能の中から必要な機能を選択し、業務に合わせて設定することで、個別のカスタマイズなしにシステムを導入しています。

当社の製品は、個別開発を必要とせず、全ユーザーが同じ製品を使うことで、日々進化し続ける各社の集合知(業務プロセス)を吸収し、長い年月をかけて成長(拡張)をし続けてきました。
 

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当社では、税法改正や社内制度変更等に伴うお客様の業務プロセスの変化に基づき、開発計画をアップデートして標準機能のバージョンアップを実施しています。標準機能で不足する機能をご要望の場合は、標準機能化における必要な要件を満たしたうえで、稼動時期をかんがみて標準機能として開発・実装しています。稼動を優先的に進める場合は、代替案等を提示のうえで既存の標準機能での稼動を行います。

 

無償バージョンアップ

法律や制度、テクノロジー、ビジネストレンドが変わっても、
変化に無償で追随し、進化し続けるシステムであるということ。

税法改正や社内制度の改定、業務の変更、M&Aへの対応はもちろん、テクノロジーやトレンドの変化への対応も求められるなど、企業システムを取り巻く環境は時代の流れとともに変化します。これらの変化に対して、従来日本企業は既存システムにカスタマイズ等の個別開発を行うなど「変化」のたびに追加コストを支払い、さらにはセキュリティリスクを負わなければなりませんでした。

当社製品は、これらの「変化」への対応を無償にしました。製品自体が変化に対応するためのバージョンアップを定額の保守料のみで続けていくため、お客様がコストをかけてカスタマイズをする必要はありません。法改正やテクノロジーの変化への対応に貴重な時間やコストを費やすことなく、常に最新の製品をご利用いただけます。

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当社では、お客様の業務改善を支える新たな業務機能を絶えずバージョンアップし続けています。

一般的なERPパッケージ製品におけるバージョンアップが、障害や不具合に対応するアップデート版の提供であるのに対し、当社の「無償バージョンアップ」は障害対応や不具合修正はもちろんのこと、お客様が投資対効果を十分に感じられるよう、標準機能の強化や、各種サービスを追加コストなく提供しています。メーカーとしての責任を持って当社自らが必要性を判断した場合は、お客様のご要望する機能の開発工数が発注金額を大きく超えるものであっても、追加コストをいただくことは一切ありません。

 

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ギャランティメンテナンスサービス

お客様と同じ立場に立って、一緒になって迅速な問題解決に取り組むということ。

一般的なシステム導入においては、当初の契約に含まれているかがあいまいな機能追加に対して、「どの契約の範囲か」「誰の原因か」「コストの負担はどこがするか」など、問題解決に至るどころか、お客様とベンダー間で対立構造が生じてしまいます。

当社では、お客様の業務に支障をきたすことがないよう、お客様と同じ立場に立って「当社とお客様で迅速な問題解決に取り組むこと」を第一に考えてサービスを提供しています。事実、お客様の全面的な協力のもと、追加コストなくかなりの広範囲をギャランティメンテナンスサービスとして対応しています。

 

当社製品をご採用いただくメリット

当社は絶えずお客様と“同じ目的を持って”、“同じ方向に進んでいく”ことを主としながら、「ノーカスタマイズ」「無償バージョンアップ」「ギャランティメンテナンスサービス」という3つの製品コンセプトを掲げ、揺らぐことなく実行してまいりました。これにより、当社製品をご採用いただくメリットとして、以下の3点を提供いたします。

1. IT投資コストの削減

企業環境の変化に対応するための標準機能の強化を、定額保守料の範囲内(無償バージョンアップ)で行います。これにより、長期的なITコスト削減・見える化を実現します。

2. お客様と当社の“共同運営型”の導入プロジェクトにより、効率的な制度設計・運用構築が可能に

将来的な企業環境の変化に対して、追加コストなくお客様内で対応できるよう、導入時のサポート体制を整え、お客様自身がシステムを活用できるよう共同運営型の導入プロジェクトを実施しています。これにより、稼動後でも社内の制度変更などの軽微な変更であれば、お客様自身でご対応いただくことが可能となり、迅速なシステム対応を実現します。さらには、業務とシステムをひもづけて考えていただくことでIT活用による業務の効率化が進み、制度変更や業務領域の拡張を行いたい場合は、標準機能の基となった他の大手企業の運用を参考にしながら、無駄がなく最適な制度設計・運用構築を行っていただくことが可能です。

3. 大幅な遅延リスクを防ぐ導入プロジェクトの柔軟性

お客様ご自身であっても、必要とされる業務機能をすべて明文化しきるのは難しく、導入プロジェクトが始まってから、しばしば求める機能領域が拡大します。当社製品は、基本的に搭載される各標準機能の設定を変更するだけで対応できるため、大幅な稼動遅延のリスクを防ぐことができます。また、標準機能の強化が求められた場合には、お客様の業務遂行に支障をきたさないことをポリシーに、標準機能化における必要な要件を満たしたうえで開発計画の優先順位等を柔軟に対応することで、プロジェクトの遂行に務めています。