三洋化成工業株式会社


写真左から 人事本部 人財開発部 主任 池田 潤一様
人事本部 人財開発部 赤瀬 恭子様
人事本部 人財開発部 主任 横田 誠治様
人事本部 人財開発部 兼 国際事業推進本部 国際ビジネス推進部 主任部員 森 英之様
人事本部 人事部 主任 永見 清様

多様な技術と迅速な開発力を持つ機能化学品メーカーとして、3,000種類におよぶパフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)の製造・販売を行う三洋化成工業様。今回は人事本部の業務革新とそこでCOMPANYが果たした役割についてお話を伺いました。
COMPANYの効果を最大化し業務のシステム化を大きく前進させたその秘訣に迫ります。

法人名
三洋化成工業株式会社
本社所在地
京都府京都市東山区
創立
1949年11月
資本金
130億5,100万円(2018年11月時点)
売上高
1,616億円(2018年3月期)
経常利益
138億円(2018年3月期)
主な事業内容
パフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)の製造・販売約3,000品種
工場
京都、名古屋、衣浦、鹿島、川崎(JV)、米国(2ヶ所)、中国(2ヶ所)、タイ、マレーシア、韓国
業種

課題

・ルーティーン業務や問い合わせ対応にかかる工数の多さ

・制度立案や業務改善等の業務に戦力を投入できていない

解決策

・COMPANYの利用範囲の拡大により人材育成に繋がる評価制度を実現する基盤を作りたい

効果

・通勤交通費は年間120時間ほどの工数を削減

・人事として本来の業務に戦力を投下できるように

制度立案や業務改善に投入する戦力を確保するために

――はじめに、COMPANYの利用範囲を拡大したきっかけを教えてください。

森様

人事本部内の業務革新を進めていく際にCOMPANYの利用範囲も再検討しました。業務分析の結果、ルーチン業務や問い合わせの対応に多くの工数が割かれており、制度立案や業務改善といった人事本部としての本来の業務に戦力を投入できていないという課題がありました。さらにその原因を分析していくと、紙ベースでの事務処理が多い、規定が曖昧でイレギュラー発生時の決裁に時間を要している、帳票がばらばらで必要な人事手続きが分かりにくい、従業員からの問い合わせが多くなっているといった課題が浮き彫りになりました。 

池田様

導入してからしばらくは、給与計算周りでしかCOMPANYを利用できていなかったこともあり、この機会に利用範囲を広げるべく、まず通勤交通費、寮社宅申請、各種申請書のワークフローを導入することになりました。 

森様

それらを一通り導入した後、人事考課の導入に取り組みました。導入の背景には当時進行していた第9次中期経営計画があります。新規事業と既存事業をグローバルに展開していき、連結で200億円の営業利益を達成することを全社的な目標とした計画の中で、間接部門は「組織・人・社内制度に変革を起こして経営効率を高める」という役割を担っていました。そこで既存の人事考課制度を見直し、「人材育成に繋がる人事評価制度構築」を実現する基盤を作るため、人事考課のシステム化に踏み切りました。COMPANYの利用範囲の拡大という意味で、特にインパクトの大きかったものが人事考課と先に挙げた通勤交通費ですね。

 

――業務分析は具体的にどのように行われたのでしょうか。

森様

COMPANYの活用状況については、全機能数に対し、自社で利用しているものがどれくらいかを確認しました。

 

池田様

COMPANYを利用する以前は、通勤交通費についてはすべて紙で運用していました。引越しや運賃の改定、バス停の廃止等による変更は従業員からの自己申告でしか把握できなかったため、より正確な実態把握のために年に2回現状の登録内容を紙で従業員へ配布し、実際の内容と異なる場合は申告してもらうようにしていました。その時期になると確認用紙を印刷して配布しなければならず、特に大きな工数がかかっていました。
 また、人事考課についても目標管理を紙で運用していました。名前入りの目標管理表を封筒に入れて全部署に配布していたため、同様に配布や回収に手間がかかっていました。

 

――紙による運用をシステムに載せ替え、機能の利用範囲を拡大するにあたって気を付けたのはどのような点ですか。

森様

全体に共通して言えるのは、導入前の準備を入念に行うことです。新しい機能の導入にあたってはまず、どの業務にどれほどの工数がかかっているかを分析しました。その上で現状の業務をどのように改善すべきか、それをどの機能で実現するかを、導入開始前にワークスのコンサルタントとも相談し、しっかり詰めておくようにしました。通勤交通費の場合は3ヶ月、人事考課の場合は6ヶ月ほどを、現状分析と機能選定にかけました。 

永見様

導入前にはHOTプログラムやマニュアルで機能・設定方法の確認もしました。今ではVISIONがあるので自席で確認できて便利です。 

 


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――新しい機能の導入にはユーザー作業支援サービス(US)も利用されたと伺っています。

森様

導入をUS担当者へ依頼する場合も、自社で導入する場合と同様に業務分析はしっかり行いました。業務分析をし、機能で実現できる内容とのすり合わせを綿密に行うことで、依頼内容だけでなく、導入後の運用イメージもしっかりUS担当者に伝えることができたと思います。たとえば人事考課では、考課表のレイアウト作成をお願いしました。事前にこちらでも画面の設計方法や作成手順は把握した上で、作成した完成イメージを渡してレイアウトを組んでもらいました。

 

――業務分析をした上で機能での実現性を検討し、固めていかれたのですね。実際の業務のシステム化の過程ではどのように進められたのでしょうか。

森様

現在の業務の中からCOMPANYの活用によって工数削減が期待できるものを抽出し、それらを優先して取り組むようにしました。通勤交通費に関しては、とにかく紙運用を残さないよう、極力システム化することを意識しました。経路の選択には、認定決議書 通勤届という自動で通勤経路を作ってくれる機能を使っています。従業員の個別の事情にも配慮して、最安経路以外に非推奨経路も選択可能とし、その場合は理由も入力できるようにしました。
 人事考課の場合は、評価者抽出について既存の制度をどのようにシステムに載せるのかを設計する部分で苦労しました。最終的に設定は大変だったものの、所属別役割という機能を利用することでその後のメンテナンスが不要となり、運用後の負荷も小さくすることができました。 

池田様

通勤交通費に関しては各拠点の総務部向けに説明会を実施し、そこで挙がってきた要望にも対応しました。たとえば以前GeOAP(※)では一方通行を無視してルートが作られていたことがあったので、一方通行が反映されるバージョンまでリリースを待って対応しました。普段従業員と接している各拠点の総務部には、事前に従業員から出てきそうな問い合わせを挙げてもらい、対応するようにしました。

※GeOAP…東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社によるクラウド型Webサービス。GIS(地理情報システム)の機能部品を各種APIとしてインターネットを経由して提供。GeOAPを利用することで地図や経路検索機能等をソフトウェアに組み込むことが可能となります。

形骸化していた制度をシステム化のタイミングで見直し

――システム化にあたって制度も一部見直されたと伺っております。

森様

長年の運用で制度疲労を起こしているケースもあり、せっかくシステム化するのであればそこも見直そうと思いました。たとえば通勤交通費では交通機関により異なる手数料を一律500円に変更しました。またガソリン代の支給の根拠となる自宅から事業所までの距離は、これまでは自動車の走行メーターによる本人申告距離数を、各拠点の総務部がNAVITIMEの自動車ルート検索等を利用して確認していましたが、GeOAPで算出された距離を基にした支給に変更しました。制度をシンプル化するにあたっては社内からの反発もありましたが、話し合いの場を持つ等、納得してもらうための努力をしました。 

永見様

人事本部として大きな工数のかかっていた、紙による経路確認も廃止しました。現在は通勤経路をCWS上で本人が確認できるようにし、半年に一度、その内容が実情に合っているかを確認するようアナウンスを出すにとどめています。 

森様

年に2回経路確認を行っていたものの、システム化にあたって1件1件確認してみたら、申告されている経路と実際の経路が異なるものがいくつも出てきたので、制度が形骸化していた一例です。今ではバス停が廃止されればエラーが出ますし、従業員にも我々にもあまり負荷なく毎月最新情報に更新されていきます。

 

――人事考課の制度についてはいかがでしょうか。

森様

人事考課においても、フィードバックの強化、管理職の人事考課項目への人材育成評価の追加、従業員への目標公開、回付ルールのシンプル化等、システム化にあたって変更点がいくつもありました。また、目標管理をマネジメントツールとして活用してもらえるよう、システム面からも工夫を加えました。具体的には入力できる目標内容のボリュームを制限しています。あまり内容が多いとせっかく立てた目標も忘れられてしまうので、個人の目標と定量化する指標を3つまでに限定し、日々思い出してもらいやすいようにしました。

 当社では昇格者研修の中に目標管理を入れているのですが、なかなか制度に対する理解が進んでいませんでした。どうしたら上司が目標をうまく使って指導できるかと考えた結果、目標を全社へ公開してしまえば良いのではないかと思い至りました。公開することで質の高い目標が作られるようになるのではないかという狙いもありましたが、どんなことを考えているのかを理解されれば、周りからの協力も得やすくなるだろうという意図もありました。

 また当社には経営層等に直接声を届けられる「e-post」という目安箱のようなものがあるのですが、そこに従業員から目標を公開して欲しいという声が挙がっていました。目標は全社員がアクセスしやすい社内ポータル上で公開する予定です。現在は閲覧権限の整備等細かい準備にかかっています。既に公開している組織目標自体を個人目標と結びつけ、より従業員のモチベーションに繋がるよう、個人目標の公開は必ず実現したいです。

 

――COMPANYの利用範囲を広げたことによる効果のほどはいかがでしょうか。

森様

全体として物理的な工数削減と、見直しによる制度のシンプル化があります。システム化により人事本部としての本来の業務に戦力を投下するための基盤ができました。 

永見様

通勤交通費に関しては異動ルールが変わったため処理件数自体が減ったものの、件数が同じだった場合でも、年間120時間ほどの工数を削減できていると思います。システム化により帳票作成、紙の配布の手間がなくなっただけでなく、システム化にあたって制度を見直すことで、適正な交通費の支給にも繋がりました。 

森様

人事考課に関しては、紙の目標管理表を廃止できたので、各部門のとりまとめ担当の工数も減ったと思います。またこれまでの目標管理表では異動希望を記入する欄を設けていたものの、人事側でそれをあまり活用できていませんでした。Web化したことで人事側で情報を活用しやすくなったため、今後は極力希望を叶えていきたいと思っています。

さらなる業務革新に向けて

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――今後の展望およびそれに向けて弊社に期待することをお聞かせください。

森様

COMPANYでは日々勤怠や目標設定、面接結果等多くのデータを蓄積していますが、それらを活用できるようなフェーズに移行していきたいです。他社様でも既に取り組まれているかと思いますが、人事データを退職予測や将来の活躍度予測といった将来の予測に活かしていきたいです。 

永見様

自動処理の推進でRPA(Robotic Process Automation)に取り組んでいますが、既にCOMPANYで自動化している業務が多いため、どのような場面でRPAを活用できるか、他社様の事例も参考にしながら使っていきたいと思います。 

森様

不具合のない安定した製品の提供と、ユーザーコミッティを通じて吸い上げる要望を実現していくことを期待しています。ユーザーコミッティはCOMPANYを良くするための意見を集約する場所でもあると思いますが、私たちにとっては別の会社の方々と交流できる場なので、ますます発展していってもらいたいと思っています。 

池田様

私たちも他社様の使い方を知っているわけではなく、分科会等の場に参加すると新しい発見があったりするので、そういった潜在的なニーズを繋いでくれる施策があったら良いなと思います。

 

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