同一労働同一賃金によって派遣やアルバイト・契約社員はどうなる?企業がとるべき対策とは【対応状況アンケート公開】

同一労働同一賃金における企業が対応すべきポイントと手順【対応状況アンケート公開】

公開日 2019年12月12日
更新日 2021年9月29日
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働き方改革の一環として2020年4月から施行される、同一労働同一賃金(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の法制化。
就業規則や採用形態、各種手当の見直しなど、企業に与える影響は多岐にわたります。

本記事では、同一労働同一賃金の概要や、対応手順、各企業の対応状況について紹介します。

目次

同一労働同一賃金とは

ガイドラインから紐解く同一労働同一賃金で企業が対応すべきポイント

同一労働同一賃金 各企業の対策やいかに!?~対応状況や課題が浮き彫りに~

 

同一労働同一賃金とは

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同一労働同一賃金とは、同じ業務に従事する労働者に対し、正規社員・非正規社員といった雇用形態による不合理な待遇差の解消を目的とした制度です。

厚生労働省が公表している「同一労働同一賃金ガイドライン」によると、基本給や賞与、各種手当といった賃金に留まらず、教育訓練や福利厚生についても、不合理な待遇差を解消するよう求められています。

ただし、雇用形態による業務内容を明確化し、「同一労働ではないから同一賃金でない」と示すことで、待遇差を正当化することができます。しかし、「正規社員と非正規社員とでは、将来の期待役割 が異なるため賃金の決定基準が異なる」という抽象的な説明では足りず、職務内容、配置の変更範囲など、客観的・具体的な実態に照らし、合理的な説明ができるものでないといけません。

同一賃金同一賃金の対象となる非正規区分

厚生労働省によると、

・有期雇用契約労働者
・パートタイム労働者
・派遣労働者

の3種類を「非正規雇用労働者」と表現し、同一労働同一賃金の対象としています。

反対に、同一労働同一賃金の対象とならないのは「正社員(無期雇用フルタイム労働者)」と示されています。

いつから施行開始?

大企業では2020年4月から、中小企業は2021年4月から義務化されます。

※中小企業とは、資本金・出資総額3億円(小売・サービス業は5千万、卸売業は1億)以下の企業、
 または従業員数300人(小売は50人、卸売・サービス業は100人)以下の企業を指します。

法制化の背景

非正規社員の割合は年々増加傾向にあり、総務省統計局が発行した「労働力調査」によると、2018年の非正規雇用の割合は4割近くに上ります。つまり、非正規社員が重要な労働力となっているのです。

そこで政府は、正規社員と非正規社員の不合理な待遇差を解消することで、非正規社員の労働意欲を向上させ、企業の生産性向上を目指すべく、同一労働同一賃金の法制化を決定しました。

罰則はあるのか

同一労働同一賃金について、罰則は設けられていません。

ただし、従業員の納得が得られない状態で事業を継続すると不信感が募り、訴訟などのトラブルに発展する可能性があります。実際に、同一の業務内容であるにも関わらず、賃金が異なったことにより裁判となった事例もあり、企業側に差額の支払いが命じられました。

企業のイメージダウンにも関わってくるため、罰則の有無に関わらず慎重に対応すべきでしょう。

 

ガイドラインから紐解く 
同一労働同一賃金で企業が対応すべきポイント

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上記の通り、同一労働同一賃金の導入は慎重な対応が求められますが、具体的にどのように対応すべきなのでしょうか。

厚生労働省は、同一労働同一賃金施行に向け万全を期すために、マニュアルやリーフレットを公表しており、対応手順についても記載があります。厚生労働省発行の「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」では以下のような手順が紹介されています。

 

手順① 労働者の雇用形態を確認しましょう

法律の対象となる労働者の有無をチェックします。
あなたの社内で、短時間労働者や有期雇用労働者は雇用していますか?
 

手順② 待遇の状況を確認しましょう

短時間労働者・有期雇用労働者の区分ごとに、賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇について、
正社員と取扱いの違いがあるかどうか確認します。書き出して、整理してみるとわかりやすいでしょう。
 

手順③ 待遇に違いがある場合、違いを設けている理由を確認しましょう

短時間労働者・有期雇用労働者と正社員とでは、働き方や役割などが異なるのであれば、それに応じて賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇が異なることはあり得ます。

そこで、その待遇の違いが、働き方や役割などの違いに見合った、「不合理ではない」ものと言えるか確認します。なぜ、待遇の違いを設けているのか、それぞれの待遇ごとに改めて考え方を整理してみましょう。
 

手順④ 手順②と③で、待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理ではない」ことを説明できるように整理しましょう

事業主は、労働者の待遇の内容・待遇の決定に際して考慮した事項、正社員との待遇差の内容やその理由について、労働者から説明を求められた場合には説明 することが義務付けられます。

短時間労働者・有期雇用労働者の社員タイプごとに、正社員との待遇に違いがある場合、その違いが「不合理ではない」と説明できるよう、整理しましょう。労働者に説明する内容をあらかじめ文書に記してまとめておくと便利です。
 

手順⑤ 「法違反」が疑われる状況 からの早期の脱却を目指しましょう

短時間労働者・有期雇用労働者と、正社員との待遇の違いが、「不合理ではない」とは言いがたい場合は、改善に向けて検討を始めましょう。

また、「不合理ではない」と言える場合であっても、より望ましい雇用管理に向けて改善の必要はないか検討するとよいでしょう。
 

手順⑥ 改善計画を立てて取り組みましょう

改善の必要がある場合は、労働者の意見も聴取しつつ、同一労働同一賃金法制化までに計画的に取り組みましょう。

 

「同一労働同一賃金取組手順書」では手順④までは早急に対応することを勧めています。
いま一度、社内の対応状況を鑑みて対応すべきといえるでしょう。

 

同一労働同一賃金 各企業の対策やいかに!?
~対応状況や課題が浮き彫りに~

 

では、各企業の対応状況はどうなっているのでしょうか。ワークスHIでは、ユーザー企業を対象に「【同一労働同一賃金】対応状況調査アンケート」を実施しました。

対応状況について質問したところ、「対応完了」と回答した法人は全体の4%、反対に「具体的施策検討中」及び「情報収集中」と回答した法人は90%以上を占める結果となりました。

また、同一労働同一賃金への対応において取り組むべき課題を質問したところ、「職務定義の細分化」が最も多く、続いて「社員の理解促進」、「非正規雇用労働者の賃金の引き上げ」と続く結果となり、多くの企業が同一労働同一賃金の対応に悩まれていることが判明しました。

法制化を目前にしたいま、一度社内の対応状況を確認してみてはいかがでしょうか。

    

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